赤坂RED/THEATERで7/8まで上演中の「ゴミノクワイ」、7/7昼公演を観てきました。
小さな劇場ですが、スタッフの方の対応が気持ちよく、
また客席から舞台が観易く、セリフも大変に明瞭に聞こえ、快適に観劇できました。
來麗ちゃんを見に行ったのですけど、それよりも「舞台」として大変面白く、
キャスティングが実に良いので、笑いあり感動ありで、行った甲斐がありましたね。
最近体調が優れず、正直山梨から見に行くのが億劫だったのですけど、
観た後は実に爽快で、疲れが吹き飛びました・・・
公式HPでもビジュアルがゴミ袋の山なので分かる通り、
「ゴミ屋敷」が舞台なのですけれど、
そこに海外から久しぶりに帰ってきた長男、というところから始まり、
ゴミを処分する為に呼ばれた清掃会社の人間たち、
そして家族も全員集まって、という話なのですが、
そこに得体の知れない人間も交じってきて・・・
脚本が良いと思うのですが、中身は大変重い話なのに、実にテンポよく、
徐々にそれぞれの人間像が明かされていき、
観客もいつのまにか引き込まれていく、という舞台でした。
役者さんたちが本当に濃い感じで、良かったですね。
何も捨てられないおかあさん、仕事にかまけて家に帰らないおとうさん。
二人の兄たち。そして妹の來麗ちゃん。
來麗ちゃんは、達者な俳優さんの中に入ると、
特にセリフ術ではまだまだ未熟なのが明確で、
終盤のおかあさんとの会話の部分など、
まだ自分の声を武器として充分使いこなせてない感じなのですが、
じゃあ下手で観ていられないか?というとそうでもないのは、
役柄を理解して舞台の上に立っている、存在しているということが伝わってくるからでしょう。
脚本を読んで、一生懸命理解して(しようとして)、立っているのだけど、
まだ表現技術が足りない、という感じ。
でも稽古場ではきっと素直で、ほかの役者さんと真剣に、楽しくやっているんだろうなあ、
という感じを受けました。
想像していたよりはずっと良かったです。
観ていて時々、あっこのシーン良いね、という瞬間もあるんですよね。
いつかもっともっと上手になって良い女優になって、
達者な役者達と丁々発止の勝負が出来たら、そしてそれを見ることが出来たら良いな、
と夢想してしまいました。
あとはこれ見た人にしか伝わらないと思うけれど、警察官役の面白さ!
一見真面目でちょっと気弱そうな彼の、異次元の面白さ。
これぞ舞台!という感じで悶絶しました(笑)
日替わりで登場するお笑いのプロの方との即興(?)のおとうさんとの掛け合いも、
実に楽しかったです。
(私が観た日は土曜日で、観客は男女半々位。特に若い女性も多かったので、
ネタ的にはややライトな感じでしたが、平日だともっとディープだったかもしれませんね)
様々なエピソードが出てくるのですが、ほとんど私は経験しているので(苦笑)、
自分にとってはノンフィクションみたいなところがあるせいか、余計にのめりこめました。
でも出てくるエピソード、全部とは言わないまでも、
こういう小劇場に舞台を見に来るような人なら、きっとどれかは経験していると思うので、
多くの人が共感し、楽しめて、そして考えさせられる舞台だと思いました。
8日までというのが、ちょっと勿体ないですね。