さくら学院2016年度卒業生の黒澤美澪奈ちゃんが主演する舞台、

 

「ミレニアム桃太郎」の1月6日夜公演を、池袋芸術劇場で観てきました。

 

 

全然知らないという方の為に書くと、

 

毎年さくら学院には複数回「公開授業」というものがあり、

 

毎回様々な各界の先生を招いて行っています。

 

その中に桜月流「剣舞」の授業というものがあり、

 

2016年度に行われた授業で、当時3年生だった黒澤美澪奈ちゃんを、

 

宗家、師範が、

 

「もし真剣にやるならば日本一殺陣が上手い女優さんになれる」と絶賛した経緯があります。

 

桜月流さんは今までにも何度も舞台を制作、公演をおこなっているのですが、

 

その流れで彼女を主演に迎えて制作しているのが今回の「桃太郎」シリーズ。

 

 

 

最初に書くと、

 

NHK大河ドラマ班の方々!

 

ここに日本一鎧ハチマキの似合う、

 

殺陣が抜群に良い女優が居ますよ!

 

商業演劇のキャスティングをされる方、

 

美少女(美女)剣士、美少(青)年剣士をさがしていらっしゃる方、

 

今のうちですぞ!

 

今の彼女で、源義経などを撮ったらどんなにいいかと思う。

 

五条大橋での弁慶との出会いなど、絶品に違いない。

 

輝くばかりの美しさ。

 

 

ネタバレになるけど、

 

舞台の最後、夏にやったこの舞台の初演のシーンに繋がって、

 

再びセーラー服で出てくるんですね。

 

本当なら彼女は今高校1年生で、一番似合う年齢のはずなんだけど、

 

精神的なオーラもあるのでしょう、

 

はちきれんばかりの健康美で、かえってセーラー服が似合わないというか、

 

不思議なコスプレ感がある(笑)。

 

あまりに鎧武者姿が似合良過ぎ、板に付いているせいかも。

 

そこが強く印象に残りました。

 

 

舞台自体の内容はといえば、

 

夏の初演に輪をかけてカオスというか・・・

 

よく言えば、「好きなことやっているなあ」だし、

 

悪く言っても「好きなことやっているなあ」。

 

 

今回舞台が平土間で、観客と全く同一平面なのね。

 

これを見た瞬間、ああ、観客参加型なんだな、と理解したし、

 

実際その通りだった。

 

歓声、掛け声大歓迎というね。

 

 

メタルオペラというよりは、「桃太郎とゆかいな仲間たちによるライブ(生演奏付き)」(笑)。

 

メタル感はほとんど感じない(苦笑)。

 

苦言を呈すれば、この「メタルオペラ」という副題を付けたことで、

 

さくら学院父兄さんにいらぬ先入観を与えたと思う。

 

心配はいりません、前半はとにかくノッて楽しめばいい。

 

初演で深い感銘を与えてくれた見事な殺陣も後半にちゃんとあるし。

 

松木さんによる見事な「外郎売」の口上も今度は生演奏付きで披露されています。

 

 

立派だったのは、桜月流宗家と美澪奈桃太郎による最終盤の殺陣。

 

しかも生演奏による効果音付きで、ここは実に見事でした。

 

二人の間に形作られる空間の緊張感が実に良かった。

 

 

今回、観客参加型ということで、

 

舞台の出来は、半分は演者、半分は観客次第かもしれない。

 

小劇場だからこそ出来る空間を作り出したいという意思を感じました。

 

こういう舞台をまだ高校生の彼女に託す、それだけの強い信頼関係を感じました。

 

色々と台詞、演出面で生硬で未完成な部分も多いのだけど、

 

こういう「やりたいことを今やってみた」舞台というのは面白い。

 

黒澤美澪奈ちゃんが将来、女優として名を成したとき、

 

「あのときは凄く面白かったなあ・・・」と、

 

本人にもファンにも記憶される舞台ではないでしょうか。