俳優の土屋嘉男さんが亡くなられていたそうです。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170906-00050059-yom-ent
黒澤明監督作品、そして円谷作品にも多く出演されていて、
多くのシーンが思い出されます。
やはり「七人の侍」での、じっと耐え忍び続ける百姓役が強く印象に残っています。
あの役があったからこそ、侍達が何故、銭にもならない闘いに臨む気になったのかが、
リアリティを持つ訳で、あの映画の隠れた(実際の)主人公といえる役でした。
そして「ガス人間第一号」。
戦後、身寄りもなく人生に希望も持てない男が、
密に研究されていた人体実験の犠牲になり、ガス人間になってしまうという話。
しかしガス人間になり、なんでも出来る恐ろしい力を手に入れても、
人生に何も望むことは無く、ただ落ちぶれた美しい日本舞踊の家元が再興すればいい、
それだけの為にひたすら犯罪を繰り返すという、
暗い虚無的な男の役をとても素晴らしく演じられていて、私は大好きでした。
家元役の八千草薫の美しさと共に忘れられない映画です。
ご冥福をお祈りします。