季節はハズレでも登山は大当たり! 今シーズン最後の北岳 | 時々、TDRの風景観察

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TDRの風景観察から始めたブログですが、
年パス更新を停止中の為、ブログタイトルを「時々・・・」に変更しました。

三連休の最終日は、

北岳の登山拠点である広河原へ行く公共交通機関の

今シーズンの最終営業日だったので、

2023年の無雪期の登山シーズンの締めとして

北岳に行ってきました。

 

今年は暖かくて、雪が降ってもすぐに溶けてしまって、

白峰三山もまだ白峰とはなっていない状態。

夏の暑さが続いて秋を感じられない状況。

11月になっても半袖で過ごせてしまう季節感の無さ。

地球温暖化は止まらない様子!

 

そんな状況を逆手に取って(?)、天気が良かったこの三連休には

締めの北岳に登った人が多いのだろうと勝手に思い込んでいました。

乗合タクシー出発地脇の最寄り駐車場に停められるかな?と、心配していたのですが、

駐車場に到着してみてビックリ!

10台程度しか停まってなくて、肩透かしをくらった感じ。

さすがに昨日、一昨日はそれなりだったそうですが、

最終営業日にわざわざ来る方がレアだったみたい。

 

確かに最終便に乗り遅れたら帰って来れないからなぁ。

帰れない訳じゃないけど、延々と林道を歩かなければならないから、

そんなリスクをわざわざ背負わないのが普通の考え方でしょうね。

あ、またゴンタさんに突っ込まれそう・・・。

 

朝一の乗り合いタクシーには7人しか乗っていなく、

空席がありました。

バスを使った人はいたのだろうか???

 

 

広河原には6時過ぎに到着

やっぱり雪は少ない。

先週北岳に登った なみさん から情報は仕入れていたので

安心感はあったのですが、

11月になっても白くない北岳はちょっと寂しい感じもします。

 

 

スタートの吊り橋を渡る時に下りてきた人とすれ違う。

やっぱり最終営業日が影響しているのか、

朝の6時台に帰る人にちょっと違和感を感じました。

 

あまり寒く無い事は想像できたものの、

11月の3000m級の山に登るのだからと、防寒グッズは用意しました。

フリース、ライトダウン、ネックウォーマー、手袋、ビーニー。

いつものコンプレッションタイツに短パンのスタイルはやめて、

タイツの上には長ズボン。

薄手の冬用アンダーに長袖シャツ。

今期初の秋スタイル!

 

歩き始めは薄手のウィンドブレーカーを着ていたものの

歩き始めて数分で暖かくなり、

1kmも歩かないうちにデイパックに装着!となる始末。

まったく寒くない異常な暖かさです。

しかも、ほぼ無風。

登山には絶好のコンディション。

これが1カ月前なら普通なんですけどね~!

良いんだか悪いんだか!複雑な気分。

 

 

白根御池にはテントを撤収する人が数名。

他にも数名いましたが、それほど混んではいなかったよう。

天気が良かったので大勢いたのかな?と思っていたんですけどね。

駐車場に停まっていた車の台数からするとこんなもの かな。

 

 

暖かくても、白根御池の立ち枯れ花畑はいつもと同じ感じ。

 

白根御池から左に進んで大樺沢二俣を目指します。

このルートの森感が好きですね。

北岳までの最短ルートは白根御池から草すべりを登るルートなんですが、

この森が好きって事もあって、ここを通って二俣に出るルートを選んでしまいます。

 

 

大樺沢二俣 到着!

バットレスが聳え立ってます。

 

北岳の象徴であるバットレスの岩感がとてもカッコ良く感じます!

ここを登ろうとは思いませんが・・・。

 

 

ちなみに昨年の11/2(公共交通機関最終営業日の4日前)に来た時は

大樺沢はこんな状態でした。

大樺沢は雪に埋まっていたので即諦めました。

北向きの斜面なのでカチカチだったでしょうね。

 

 

今年はまったく雪は無し!

季節外れの恩恵を受けて、大樺沢を登ります。

大樺沢を登るのは

二十数年前、アトランタオリンピックの男子サッカーで

日本がブラジルを破った「マイアミの奇跡」の日以来となります。

日時を調べたら 1996/7/21 でした。

 

北岳山頂で、他の人が聞いていたラジオを又聞きして、

そのニュースを知ったので非常に印象深く覚えています。

その時に出場していた選手、中田英寿氏は山梨の韮崎高校出身だったので

勝手に縁があると思ってました。(笑)

 

 

 大樺沢の途中から振り返ると高嶺(たかね)がドーン!

 見守られているような、視線を感じるような

 

 対岸から流れ込んでくる沢

 落差の大きい流れが滝のようになっていて、飛沫が凍っているようです。

 

大樺沢の中間部からの振り返り。

 八ヶ岳が見えてきました。

 

ルート脇の凍り

丸い氷の造詣美 

 

縞模様の巨岩が点在してます。

 この岩がどうやって出来たのか、どういう経緯を経て今の状態にあるのか?

そういった地球の歴史的な事を空想するのが結構楽しい!

 

この写真を撮った前だったか、後だったかにガラガラと音を立てて

人の頭くらいの岩が落ちて来た。

沢から外れたところにいたので、危険は感じなかったが、

やはり、落ちてくる岩を見送った後には気が

引き締まりました。

 

 

 上空の空気は冷たいようで、

通過する飛行機が北岳と月の間に綺麗な線を引いていきました。

 

 更に沢を登ってからの振り返り。

 八ヶ岳の見える範囲が広がってきました♪

 

八本歯のコルから下ってきた若者がチョーヤバイと言っていたルート上の凍り箇所。

この沢を横切って先に進むのですが、表面はツルッツル!

 なみさんからも危険な所があると聞いていたので、おそらくここの事。

ただ、なんとかなる とも聞いていたので

ちょっと脇と、凍ってない石を選んで問題無くクリア。

全面が凍っていたらヤバかった!

これも季節ハズレの恩恵でした。

 

近くなってきたバットレスがやっぱりカッコイイ!

 

 

沢も後半。危険箇所のクリア後は階段祭りが始まります。

階段もだいぶくたびれた感がありました。

イメージとしては、綺麗な階段が続く だったんですけどね。

年月が経てば変わりますからね。

 

 

八ヶ岳もほぼ全容が見えるようになりました♪

 

八本歯のコルに到着!

 間ノ岳が見えるようになりました♪

 

 

今回、ここで考えました。

以前から気になっていた八本歯。

いきなりハシゴが掛けられているようにかなりの岩稜。

見るからに岩稜!

この先の風景と、対岸(山だけど)から見える北岳の景色はどうなのか?

 

 とはいえ、帰りのバス(乗合いタクシー)の時間もあるし、

12時発の次は16時発と、かなり時間が空くし、

12時発に乗るには急いで動かないと間に合わなそうだし、

16時だと早く着いてしまいそうだし。

まぁ、最終便なので遅れるよりは早い方が良いのだが、

前回3時間も待った記憶があるし・・・

 

どうしようか? と迷いました。

天気も素晴らしく良く、

これ以上は無いと思える登山環境なので、

帰りの便は16時と決めて八本歯に登ってみる事にしました。

 

 

 

これが大正解!

 

 

岩稜は岩稜だけに緊張する箇所はありましたが、

そこを越えた先にはなだらかな尾根がずっと先まで続く素敵な光景。

 

当然、360度の展望が広がる最高のロケーションでした。

 

東に富士山

 

南に間ノ岳、

 

北岳も、目線が上がったので素晴らしい展望

 

ほぼ北方向には甲斐駒と、その奥に八ヶ岳

 

北東方向には鳳凰三山

その手前にほぼ平行に伸びる素敵な尾根。

 

 

この尾根を歩いて、

右側のやや高いところ、ボーコン沢の頭まで行ってみたい!

という欲求に駆られてしまったのでした。

 時間的にも往復2時間あれば行って来い出来るだろうというザックリ計算。

行くなら今でしょ!と、林先生に言われたような気がして突き進んだのでした。

 

こちらの尾根は池山吊尾根で、

南アルプス林道が閉鎖されている冬の期間、

冬の北岳へ登るメインコース。

 

冬がメインとなるコースなので、

無雪期に登る人は極めて少ないはず。

踏み跡らしきルートはなんとなくあるものの

ところどころでハイマツに隠れて解らなくなる。

 

ひざ丈くらいのハイマツを漕いで先に進む。

とにかく尾根に沿って進めばなんとかなるので、

ハイマツ漕ぎも楽し~い!!

 

 

ボーコン沢の頭に到着

歩いてきた尾根越しに見る北岳がこれまたカッコいい!!!

 

もうちょっと先まで海岸のような尾根は続いているのですが、

ここで右に曲がって下降が始まります。

 

夜叉神峠から鳳凰三山へ向かう途中にある辻山から続くなだらかな尾根が

紅葉真っ盛り

南側から眺めると、

夜叉神峠から鳳凰三山へは結構な距離があることを再認識させられます。

 

無名の2802mピークまで続いている尾根。

その先に鳳凰三山

 帰りの乗り合いタクシーで隣になった気さくなご夫婦は、

鳳凰三山側の早川尾根を歩いていて、向こう側からこちらを見ていて、

良さそうな尾根だと感じていたとの事。

すっごく良いです♪と、オススメしてしまいました。(笑)

 

甲斐駒の見え方もだいぶ変わりました。

 

相変わらず北岳はカッコイイ!

 

久しぶりのおしるこ休憩

 今回、見えていませんがチョイ足しの餅入りです。

しかも星型!

 

 

うーん、いい! すごく良い!

 

 パターンを変えて何度も撮ってしまう。

 

富士山の周りにはちょっと雲が湧いてきました。

 

砂浜的な尾根の向こうに広がる峰々

 

本当に気持ちの良い尾根です。

 

ボーコン沢の頭を独り占めして満喫しました。

 

来た道を戻ります。

 

 

クリスマスツリー的な木と甲斐駒

 

斜面に整列して生えているようなダケカンバが綺麗

 

同じような高さから見るバットレス

 

八本歯のピークから、これから進む北岳山頂へのルートを臨む。

なかなかの迫力です!

 

 

振り返って、改めて八本歯

 

今度は北岳に向かいながら八本歯を振り返ります。

 

山に沿うように曲がった飛行機雲

 

見事なまでに山の稜線と平行に進んでいきました。

 

 

池山吊尾根がだいぶ下に見えるようになりました。

こうしてみると、八本歯の岩稜も緩やかのように見えてきます。

やっぱり下から見上げるのと、上から見下ろすのでは

印象がずいぶん変わります。

 

北岳の山頂もあとわずか!

この階段が出てくると山頂は近い はず!

 

白峰三山の縦走ルートとの分岐

ここから北方向に向かって最後の登り

 

南に向かって伸びる縦走ルート

手前の岩はイノシシ岩???

 

 

北岳山頂に到着!!

 

お約束の!

 

お地蔵さんに手を合わせて

 

登ってきたルートを見下ろします。

山頂も独り占め!

 

後から上ってくる人の気配はありません。

ま、登頂したのが12時頃だったので、

最終バスの16時に間に合うように下りるには

これくらいが限界だと思われるので、

この後に登って来る人は

トレランさんとかでなければ、まずいないと思われます。

 

という事は、私、2023年オンシーズン最後の登頂者 かな!?

 

 

山頂の立ち枯れドライフラワー

去年は雪を被っていました。

 

 

池山吊尾根の方向からは雲が湧いてきました。

 

西側は全く落ち着いた状態

 

お地蔵さんの向こうには地蔵岳

 

どんどん東側から雲が湧いてきました。

 

相変わらず風は無く穏やかだったので

山頂でのんびりお昼ご飯(ジップロック飯)を食べました。

30分くらい滞在していましたが、ここも独り占め!

最高に気持ち良かったです!

 

東側はガスって視界が悪くなりましたが、

西側は全く穏やかでした。

 

12時半過ぎに山頂を後にしました。

 

 

 

肩の小屋まで下りてきました。

パクられた(?)この看板は見たかった。(笑)

 

ドアにはこんなメッセージが。

 

雲が湧き始めたけれど、良い天気な事は間違いない!

 

あとはサクサク下ります。

 

小太郎尾根分岐の手前の尾根から見える仙丈ヶ岳が好きです。

手前の谷の感じと奥の仙丈のどっしりした姿が良きデス!

 

小太郎尾根分岐

ここからは稜線を外れて、一気に下降します。

 

白根御池が見えてから長い!!!

ホント、あるあるの 見えてる場所になかなか到着できない罠!

 

立ち枯れお花畑まで来るとあとわずかで白根御池

 

白根御池でちょっと休憩してから、広河原まで一気に下ります。

 

 

広河原よりちょっと上の1700m辺りの紅葉がピークでした。

 

落ち葉のじゅうたん

 

無事に広河原に到着!

北岳は雲の中からちょこっとだけ頭を出していました。

 

真っ赤な紅葉

 

最初の吊り橋に行く手前の看板の脇のモミジでした。

 

無事に16時前には下りてくる事が出来ました。

最終便に乗り遅れる事は避けられました。(笑)

 

最後にインフォメーションセンター前で北岳の様子を写真に撮っておこうと思って、

山にかかった雲が切れるのを待っていたら、

乗合タクシーの係の女性から

「すぐに(タクシーが)出るけど、乗っていきますか?」

と声を掛けられました。

まだ出発時間までは1時間くらいあったので、

ガッツリと雲の切れ間待ちをする体制でしたが、

早いに越した事は無いので

「乗ります。乗ります!!」と二つ返事で答えました。

 

乗合タクシーには5名ほど乗っていて、すぐに出発できる状態。

予定よりも早く帰りのタクシーに乗れたのでラッキーでした。

 

帰りのタクシーの中では、気さくなご夫婦と話が弾んで

寝る予定だったのがほぼ寝れず!

でも、楽しかったので良しとしました。

 

行きの時には暗くて見えなかった紅葉も、

傾き始めた夕日に照らされてとても綺麗でした。

 

ご夫婦は夜叉神峠で降りられて、

タクシーの中から手を振ってお別れ。

タクシーも無事に芦安に到着して、

シーズン最後の山行はとても良い結果で終了しました。

 

 

 

 

季節外れの天気は良い方向に逸れて、

11月とは思えない、

とても快適で楽しかった3000m級の山への登山となりました。

絶好と言える条件の中で登れたのはモッテル男になれたのかな???

 

八本歯からの池山吊尾根はとても素晴らしい尾根でした。

北岳に行く方で、余裕がある場合は是非行ってみて下さい。

おススメです。