夜、露天風呂で一日を振り返る。
日中はここと、決めていた。
これ、全身無傷なら確実に国宝だよねと。
私たちの今に、こう言う人たちの息遣いを感じて。
資料館で、担当者とコッテリ縄文遺跡について話倒す。
昼メシ時を、当然忘れて。
ジンギスカン定食は、定番。
飲み物は天然水のどぶ漬け。
瓶ビールを、一本所望。
クゥ〜!
キンキンに、冷えてやがる。
土鍋ご飯。
宿主に許可を得て、手料理を振る舞い。
まあ、我ながら笑うくらいうまい。
仙台から来たと言うお兄さんも、満面の笑みだった。
人は、美味しさで笑顔になる。
私の動力源でもありまして。
燻製も。
そして、露天風呂から出ようとした時、腕に何か飛んできた。
ミヤマクワガタだった。
まさにここは、深山(みやま)
国見温泉の最終日早朝、露天風呂にて。
ここ、住みたいよなあ。
名残惜しいよなぁ。
ちょっと、イワナと戯れようか、いや。
台所の、掃除をしようと決めて。
飛ぶ鳥跡を濁さず。
アルコールとキッチンペーパーで、床磨き。
シンクの消毒。
国見温泉、真緑の薬湯。
このくらいやっておけば、衛生面大丈夫ですよと。
習慣は大事。
セルフ消毒です。
冷蔵庫内も。
流儀であります。
礼儀でもあります。
短い後ろ髪引かれつつ、後にします。
さ、一度は行こうと。
いや、すごいよここ。
サンダルで歩いてて、笑われるの図。
昼飯の定番。
十和田湖の宿に、雨で乾かしていたテントを片付けに行く。
そこに、偶然イベントの主催者が忘れ物を取りに来る。
そうだよね、やっぱりねと言う話をする。
大体似ている。
だからこそ、分かる心情がある。
わからない人もいる。
道端の小石は、物言わねども。
しばらく握りしめると、温度が馴染んでいく。
この旅で、いくつか道草をした。
それも良し、いや、それが良し。
すてきれない にもつのおもさ まへうしろ
種田山頭火
約束もしてないのに、私たちは。
お互いお礼にと、美味しいものをそれぞれ携えて宿で。
「お前も買って来たの?」と笑い。
お前たち、ちょっと話でもしていけよって。
神様の悪戯とすれば、それは粋。