イベントに参加しないかとの、連絡入る。


十和田湖バックパッカーズには、ここ数年の恩義あり。


また、教員休職中のヒメマス釣行の定宿として。


これからどうしようかと、思案していた場所。


国内外問わず、と言うよりほとんど外国人なんて日もあり。


英語で何時間もやり取りしたら。


色々な考え方、生き方があるんだと。


悩みを抱えている人も、多く見られた。


自分だけが、世の中の不幸を背負っているわけではなく。


辞めて、違う生き方しても良いんだなと。


「べき」人間、脱却しようかと。


人生の岐路に立っていた、私にとって。


きっかけをくれた場所。


ある意味の、自己解放でありました。


初めて訪れた時。


ヒメマスをわんさか釣り、捌き、イクラを作り、土鍋でご飯を炊いていた折。


真空パック器も持参の、いつもスタイルで。


こうすれば、せっかく釣ったヒメマスも日持ちするなんて話もして。


凍らせて、アニサキス死滅すれば刺身でも美味しいと。


ヒメマスのイクラは、本当に美味しくできた。



女将が様子を見に来て、「アンタ、何者?」と言われて。


そのうち、ヒメマスで何か作られないかと言われ、ヒメマスでハート型を形作り炊き上げた「アイラブヒメマス釜めし」とか。


ヒメマスの燻製とか、いろいろ作り。


そのうち、手料理も振る舞うようになり。


行書の達人懐素のごとく、酔えば筆をとり。


山頭火の詩を、十和田湖の四季に合わせて書き。


空海の言葉を、旅人への花向けとし。





そのうち、宿が常設ギャラリーみたくなり。


また、「何者?」と言われても。


一応教員ではあったが、教壇に立っていないのに言うのは恥だと思っていたし。


言い出せなかった。


くだらないプライド、だったのかもしれませんが。


相当迷っていたし、仕方がないかと。


でも、次男の大学の学費が残せることがわかり、肩の荷がおりて。


正式に退職し、実はと報告した。


変わらずのお付き合いが、身に沁みている。


今、コメ、リンゴ、ブドウの繋がりも。


つまり、産地直送ならぬ、「農家直送」の構図が出来上がりつつある。


「食べ物の見える化」を具現。


農家が生きていくための、手段の一つ。


出荷して、通帳に入るのを待つだけではなく。


こう言った現金収入は、農家嬉しいし。


喜びの顔や、声も届くと。


俄然農家は、奮起するし。


私も、今年のコメが美味いと言われれば、苦労もなんのそのだし。


孫の顔を思い浮かべて、作業しているし。


持つ資格も、経歴も技術も、すべては農林水産業の一貫にして。


「農業を、地べたで行きたい」と、当時の校長に啖呵を切って決めた道。


そのために取った資格。


さて、そんな恩義から始まるイベントに向けて。


今回、昼食メインの出店者がいないことを聞いて思い立つ。


早朝から毎日田んぼ、天然日焼けサロン生活なれど。


蕎麦とうどん、出そうと。


そこで。


気になり、ここしばらく通っていた藤幸製麺所さん。

製麺所直営の食堂に、間違いなし。

心に引っかかっていたのは、こういう時のためだったのかと。


他人の評価は気にしない。


自分で確かめる事にしている。


そうでないと、人には勧められない。


⭐️が幾つとか、気にしない。


かけそば+ミニ天丼950円。


かけうどん+ミニ天丼950円。


うん、お願いする事にした。


この味なら、と。


地域に根差した店である事は、客層とか服装で分かる。


何より、軽トラが止まっている事。


これは、ドライブインにタクシーや長距離トラックが止まっていたら、間違いないのと同じ。


店員に、イベントにて蕎麦とうどんを出したいと相談する。


帰ってすぐに、社長さんから連絡をいただいた。


ありがたい対応だった。


かつて、イベントに積極的に参加されていたと。


レンタル用品も、あると。


業務用の麺つゆもあった。


私はこれを元に、仕掛ける。


得意の、「元は何だっけ」作戦だ。


勝手に宣伝もしたいのでと、岩木山そばののぼりもあると言う。


これで通りすがりの人の、食指をくすぐる。


ここの麺つゆには、普遍的な中心軸がある。


十和田湖バックパッカーズの大女将は、出湯とスキーの町、大鰐。


ならば、大鰐のシャモロックで旨味と甘味を、と考えたが。


いつ入荷するか分からない、との事で一時思考停止。


出る数は、それほど多くはないというデータはもらった。


しかし、出汁に手を抜く事はできない。


自分が納得しないものは、人には出せない。


燻煙変態である前に、料理にもこだわりが強く。


学祭で出すうどんに、丸鳥とか、マグロの頭から出汁を取ったりとか。


たかだか300円のうどんに、心血注いできた。


「美味しい」、ただそれだけのため。


夜明け前から、仕込んで。


さて、ジビエ肉、手に入りそう。


まだ時間はある。


しばらくは、頭の中の立体テトリスを泳がせておこう。


閃きは、一瞬で起こる。


やっと今日の朝、水中ポンプの撤去日となり。


少しばかりではあるが、雨も降り。


今日、寒いけれども。


多分、田主も畑主も、ホッとしている。