農薬の魚毒性が低くなったのか、やたらとタニシが増えている。
しかし。
トノサマガエルは、20年前から準絶滅危惧種となった。
威嚇をする際、前足を上げてお腹を膨らませることから。
太った殿様に見えたから、この名前だとか。
小学生の頃、水路にはフナやコイ、ナマズ、モクズガニ、タイコウチ、ミズカマキリなどもたくさん見られた。
田んぼのタニシを潰して、水路に網を仕掛けると、面白いようにモクズガニが獲れた。
家に帰り、泥を吐かせて茹でて食べようとした。
鍋の蓋に重しを乗せるのを忘れて。
モクズガニ、家の中で大脱走。
今では、笑い話。
その後、水路はU字溝、つまりはコンクリート三面張りとなり。
作業は格段に、楽になった。
水田は大型化されて、畦が消えていった。
大型機械での作業により、効率化した。
その一方で。
畦畔が減ることは、隠れ家とエサ場の消滅を意味する。
除草剤の散布、雑草は大敵なれど、その影響は小さな生き物には辛かろう。
中干しにて、オタマジャクシは生きていけず。
私は出来るだけ、水田の窪みに集まるオタマジャクシをすくって流すけど。
それでも、水が引いた水田では干からびたオタマジャクシを見る。
申し訳ないが、仕方ない。
そう、私は生きるために多くの生物の命を奪っている。
それでも、今年もトノサマガエルを見た。
婚姻色の、オスだった。
畦畔の傍に逃した。
彼らは、夜になると繁殖行動を起こす。
約1.6mほどの、縄張りを作る。
鳴き声を競うのは、歌合戦。
美声に惚れた、メスが来れば無事繁殖。
しかし、声を出さずに行動するオスの個体がいる。
そういった行動は、魚類や両生類にしばしば見られる。
それを、スニーカーと呼ぶ。
え?どういう事?
スニーカー=靴、ではなくて。
忍者みたいに忍び寄る、ということで。
便利に犠牲あり。
でも、カエルは虫を食べてくれるから。
少しでも、助けるようにしている。
カエル一匹助けて、どうする?と言われても。
一枚だけ、水の入りにくい田んぼに苦労していた折。
お前も、水を待っていたか?
それとも、天敵から逃れる隠れ家と見たか?
すまんな、ちょっと水を入れさせてくれよ。
青いアマガエルは、幸運の証だとか。
連休中、孫が。
「お米さん、がんばれ!」と言いながら育てた苗は。
田んぼに入りましたよ。
毎年、こう思う。
そこにいる生き物が、生息できないと分かっていながら、結果殺している。
自分の利益のため。
これは、外資が日本に入り込んで食い荒らす。
自分の利益のため。
これは、広義で見ると同じことか。
何が良くて、何が悪い?
線引きはどこか。
何だか、毎年カエルを見ると始まる禅問答。