手巻き寿司と、スパゲッティと、刺身という。
何だかよく分からない要望に。
メバルの頭と骨を炙る。
そこから、グリルで焼いていく。
塩麹。
これで、メバルのなめろうを。
塩分は、決着剤。
味噌、生姜、ネギ、根昆布、後は秘密。
決め手は、包丁の切れ味。
これが全て、切れ味は食材への礼儀と見ている。
磯ツブは、定番。
粗熱を取り、煮汁をメバルの骨と合わせて、わずかの塩で整える。
これが、すまし汁に。
もったいない、もったいないの心。
単に、旨みを回すだけ。
マグロ、赤身と中トロ。
買ってもらった皿、使ってみたくて。
え〜、右から時計回りに。
鯵ヶ沢産、真鯛の湯引き。
同、メバルのなめろう。
北海道産、イワシの刺身。
宮城産、ネギトロ。
単品でも、手巻きでも。
それぞれに、独自の手業を。
誰かの手法ではなく。
素材を見て、経験と直感で決めていく。
つまみとして食べるなら。
なめろうや、ネギトロ単品海苔巻もありだよと。
きっかけは、この商品。
「まぐろたたき」なる商品に、違和感を感じて。
案の定、我々は一体どこの何を口にしているのかと。
しかも、中国産のマグロって刺身ではまず見ない。
かさ増しか。
なら、自分で作れと。
誰も気づかない。
私が作ったマグロたたきに、ごく少量のオリーブオイル。
燻製塩、煎り酒の存在。
居るが、見せない。
それが手業。
さて、陶器市の話。
津軽金山焼の、春の陶器市。
ちょっとガタつきがあるくらいで、半額。
お値段以上。
欲しかった皿を、買う。
楽しくて、早速使った。
いや、長女がこう言うの好きで。
買ったではなく、買ってもらう。
ひもじいならぬ、ヒモ爺である。
アサリが高い。
ならば、「しじみボンゴレ」と参ろう。
砂抜きは、4時間。
え?砂抜きしてくれないの?
砂抜きしてしばらく置くと、身が痩せる。
そのくらいの手間は、美味しいのために自分でしましょうよ。
その時間を使って、仕込みしましょう。
オリーブオイルで、ニンニクをジワっと弱火で。
その間、刺身を切る。
香り立つ。
一気に強火で、十三湖産しじみを。
途中で、わざと中途半端にドライトマトを追加。
舞茸の風味も。
食べている途中に、「あれ?トマトも居たの?」と言う仕組み。
トマト居る、でもトマトの味しない、あれ?でもやっぱりトマトだ!みたいな。
そこら辺は、シックスセンス。
麺を茹でるときに、塩とバターを入れている。
ゆで麺の澱粉、塩気、上澄みのバターをすくい、ソースにコクを。
余った刺身たちを、酢とレモン果汁で〆。
キッチンペーパーの毛細管現象を使う。
少量の調味料で済む。
これで、明日の朝も美味いはず。
日持ちもする。
今日の美味しいは、明日の健康。
昨日余ったおかずは、今朝の美味しい。
命を無駄にしない。
活かして生きる。
安心、安全な食べ物を。
これが、津軽えんぷっ亭の流儀。