水1ℓに、天日塩と黒糖で燻製を作る。


その、塩糖水の比率は沼。


しかし、これが全ての味の根源。


沼に抜かりつつ、抜かりなく。


小洒落たつもりか。


燻製仲間から、肋骨の凹凸がエロいと。


燻煙変隊、である。


イベント用の、つがる豚バラとヒレ。


この塩梅、塩を3g足すかどうかで迷う。


答えは、その先にしかない。


田んぼの水を見て。


改良区に寄り、水路の相談して。



昼メシにと、五所川原市は「らんまん」さんへ。


燻製繋がりで、仲良くなった。


豚サガリ定食、塩薄め、サラダのドレッシング抜き、これでオーダー。


面倒な客。


サガリなら、今までたくさん食べた。


しかしここのサガリは、明らかに他とは違う。


最初、ハラミかと思った。


ブタやシカを捌いてきた、私が間違うレベル。


そして、食感がこれまた。


ここが最も重要な火入れ。


ナイフで断面を。


つまりは、食肉のタンパク質熱変性なのだけれども。


店主、お見事でございます。


サガリ定食、1,000円。


少しも高くありません。


ご飯大盛り無料。


さすがは、「ままかへる処」。

※津軽弁、ご飯食べさせる場所


火は通してあるが、どこで止めるか。


熱変性は、引き算ができない。


つまり、火が入り過ぎたら終わり。





私も、ハムやベーコンの加熱殺菌で一番悩むところ。


このところ、ようやく数値化、つまり「見える化」できてきた。


30年かけて、見えてきた燻製道。


これが見た目の美しさで、食欲をそそり。


食感の柔らかさを生む。


火は入っている、しかしそうは見えない。


これ大事。


肉の焼き方なんて、同じと言う勿れ。


一度だけ、「ブルー」のステーキを食べたことがある。


赤身肉の、旨みと塩だけで。


衝撃だった、肉を食うとはこれか!と。


私の塩の道は、そこから始まった。


我が家の子供たちは、他の家で焼き肉を食べると驚かれると言った。


それは「そんな生焼け、大丈夫なの?」と。


私は、見た目の火入れと、物理上の火入れは違うことを知っているので。


子供達は、それに慣れた。


肉はよく焼かないと、お腹を壊す!


だから、よく焼いて!


と言うのは、よく聞く話。


では、ローストビーフは?と言うと。


ほとんどの人は、「あれ?なんで大丈夫なんだっけ」と言う。


これが、見た目と物理上の違い。


この前出した、熊肉のローストも。


わずかな根昆布出汁と、塩のみ。


妙なり。

(妙の意味を調べると、印象変わるかも)


一仕事してあるから、これで良し。


低温調理器、バンザイ。


田んぼ、ビニールハウス、食堂、温泉の日常。


確か巷では、ゴールデンウィークとか言うらしい。


あの焼き方で焼かれた肉は、最高の成仏。


命を、最高の形でいただきました。


ご馳走様でした。