最近、香辛料を駆使した料理を作っていなかった。


かつて、燻製のために香辛料の勉強をして。


市販のルーに頼らず、カレーを作ったりもしていました。


次男はお腹を空かして、帰ってくるだろう。


さて、やってみますか。


八幡平ポークで、行きます。


カレーのルーと、ハヤシライスの残りで。


いつかの時のためにと、有機栽培の香辛料を。


オリーブオイルで、炒めながら香り出し。


そして、加熱をして煮込みの時間短縮。


一度取り出して、肉だけ炒め。


旨みを封じ込めて、野菜を再投入。


スパイスを絡めて、焦がさないように。


そうしておくと、煮る時もぬるま湯から。


一気にはルーを入れません。


粘性が高いと、焦げやすいし。


味も、乗らないし。


徐々に、です。

隠し味とは、何かが入っていそうで。


しかし、顔は出さないとのこと。


ここに、自家製味噌、煮干し粉を少々。


何かが違う、でも何かは分からない。


これが妙。


でしゃばりはしないが、馴染みの良い旨みを加えて。


最後は次男の「うん!」で確定。


香辛料で煮るって、テトリスみたいで楽しい。


さて。


村の集会所、老朽化。


そこに、村の長老が。


優しいおばあさん。


修理費を、全額寄付してくださることに。


工事、始まる。


これからの村を頼みますと。


今、こう言う利他の心を持ち合わせている人、どれだけいるだろうか。


ともすれば、今だけ、自分だけ、地位だけと。


政治家の裏金なんか見ると、情けない世の中で。


齢90。


お金を残しても、墓場までは持っていけない。


ならば、若手に村の将来を託そう。


稲盛和夫さんと、重なる。


そう思える、心の美しさ。


古き良き日本人の、美徳を見た。



「利己」ではなく「利他」。


これこそが、国力であり、民度の高さ。


私は、この一連の交渉を任された。


考えた。


そこにお金を出す、心持ちを。


願いを。


そこには、何があり。


どうなれば良いのかと。


いちいち、聞きはしない。


感じ取る事が肝心なのであり。


心を、汲み取って見た。


出した答えはこうだった。


彼女は言った。


これから若くなる事もない。


何回も進捗状況を報告に言った。


見えてきて、仮説を話した。


「多分、こう言う事ですか」と。


・老朽化した村の集会所が廃れるのは、しのびない


・自分に重なる気がする


・お金ではなく、気持ちの問題


・これからの村の拠り所を守りたい


・頼みますよ、皆さん


こう伝えた。


その通りだと泣いた。


心が通じた。


何でしょう、お互い同じ温度の血が通っているような。


利他の心には、利他で返さねばならぬ。


それが「結」でありまして。


当たり前の事ではない。


気持ちには、気持ちで返す。


始まった工事に、職人に差し入れがしたいと。


やはり利他。


お金をもらい、買い出しに行った。


職人に、挨拶をしに連れて行った。


ありがとうの気持ち。


おかげさまの気持ち。


お互い様の気持ち。


しみじみ、日本人なのだと感じた。


数多の災害や飢饉の、苦難を乗り越えて。


それがあるから、私たちが生きている。


無くしてはならない、心がここにある。


いい日だ。


私の料理や燻製も、誰かの美味しいと。


健康のために。