田んぼの草刈りが一段落。


しかし、強敵が。


ヒエ、であります。


我が家は、低農薬米、よって、田んぼに水を張って一回、田植え後3日を過ぎて2回目の、早期除草剤を散布しています。


いもち病対策は、ラジコンヘリによる、航空防除。


最近は、ドローンを使う人も出始めましたが、なんだかんだで200万円ほどかかる。おいそれと、手は出せません。


手作業を軽減したい→機械を導入→全部お金の話→借金増える→生活厳しくなる、この図式です。


ヒエは、しばらくのうち、イネより背丈は低く、目立ちません。よく見れば、違いはあるのですが、中々これが。


しかし、田植え後およそ120日位経過すると、一気にイネを追い越します。そして、イネより早く、穂を出します。


我が家の田んぼは、まだ良い方。


ヒエが蔓延ると、もちろん肥料は吸うし、イネに栄養が行き渡らなくなるため、減収になります。


さらに厄介なのが、これに付くカメムシの仲間。


ヒエからイネに移り、斑点米と言い、イネの品質を低下させます。


すると、減収=収入減となります。


その種は、土中で10年〜20年は生きると言われ、これまた厄介。


成長点は、株元にあるため、カマで刈り取るのが一番良いのですが。


まずは、ヒエの穂だけでもと、抜きます。


しかし大変な重労働のため、諦める人もいます。


これが、その田んぼ。


決して、こうしたくて稲作をしているのではありません。


自分の田んぼの方が、優れていると、言いたい訳でもありません。


大規模経営とか、高齢化とか、手が回らない現実が、あります。


春先、説明会があり、行きました。


すると担当者が、こう言いました。


「コロナの影響で、飲食店やらのコメの消費が減り、米価が下がる可能性が高い」と。


コメ農家は、ボヤきます。

じゃあ、コメ作っても、生活出来ないと。


何のために、作ってんだ、と。


意味、あるのか、と。


テレビでは飲食店に補助金みたいなことを言っているけど、第一次産業には何の話も出てないぞ。


思い出すのは。


数年前、米価が下落した年、聞いただけで5人、農家の主人が、自殺したと。


大規模経営にして、踏ん張り、稲刈り用のコンバインなんて、最新のものは1700万円とか。


しかも、10年くらいしか、もたないと。


米価が下がれば、減価償却できない。それを、自らの命を絶ち、終わらせる。


どうやって、生きればいいのか。


そんな現実があるのに、農家には夢がない。


昨年、稲刈り後の会合で、担当者が言った。


「これからは、50haとか100ha位の大規模経営じゃないと難しい」と。


現状が分かっていながら、この発言。

諦めろって、言っているようなものだ。


国民の主食を預かる農家が、生きていけないとは。


この国、おかしいんじゃないか?


そう思わざるを得ない。


でもね、自分の家で、そして子や孫に。


誰が作ったか分からないコメ、食べさせたくありません。そこは、意地です。


食産業に携わる者に、光を。


今更、スマート農業って言うけど。

それって、農家を痩せ細らせる、そっちのスマート農業かと。


いや、もう笑えない話。


しばらくの間、ヒエと格闘します。


歯の生えて来た、かわいい孫のためにも。