シルビアのいる街で(2007年 スペイン、フランス)
監督:ホセ・ルイス・ゲリン

ある男が、数年前に出会った女性を探し求め、彼女と出会った街を徘徊する。カフェで様々な女性を見つめ、スケッチし、彼女の面影を見つけ出そうとしているようだ。そして、あるカフェの窓ガラス越しに彼女を見つけ、彼は彼女の後を追う。

一切の説明を排除しながら、男がカフェでいろんな女性を見つめ、スケッチしている様は、とてもリアルな空間の中で、どこか幻想的にも感じる。ややもすると退屈になってしまう少し長めの各カットが、そこにいる女性たち、街自体を心に焼き付いていくことで、そこに滞在しているかのような感覚が芽生えてくる辺りが、綿密に計算されていることを感じてしまう。
ただ、非常に特殊な映画で、物語を追い求めると痛い目に合いそうなので、特殊な人にしかお勧めできないし、お勧めするほど好きかというと、そうでもなかった。ビクトル・エリセ監督が非常に評価している、という点は非常に納得できますね。

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パラサイト(1998年 アメリカ)
監督:ロバート・ロドリゲス
出演:イライジャ・ウッド、ジョシュ・ハートネット

アメリカのどこにでもあるような高校が舞台。ある日、いじめられっ子のケイシーは、グラウンドで奇妙な生物の抜け殻のようなものを見つけ、理科の実験室に持ち込むが、それに水がかかった瞬間、蘇生、変形し、攻撃的な本性を露わにすることを発見、新種の生物を見つけたと喜ぶのだった。が、しばらくしてケイシーは、学校中の人間がやたらと水を欲しがっていること、そしてそれが学校の職員室の先生たちを中心に広まっている異変に気づき始め、仲間と共に調査を始めるのだが・・・

この映画は大好きです。CG映画ですが、とても楽しい。まず学園青春もので、SFボディスナッチャーで、遊星物体X的な疑心暗鬼・・・たまりません。特にこの映画の面白いのは、エイリアンが常に水を欲していて、とても健全であるところです。アルコールも麻薬もダメ。どんどんと寄生された人間が更生されていくのが面白いですね。

監督はロバート・ロドリゲス。「エル・マリアッチ」から、「デスペラード」、「フロム・ダスク・ティル・ドーン」と続いてノリにのってる感じですね。「スパイキッズ」の後、作品は観てませんが、最近はどんな感じなのでしょうか。そして脚本が「スクリーム」のケヴィン・ウィリアムソン。二人とも図に乗ってるくらいに調子がいい頃だったのではないでしょうか。面白くないはずない、って感じですね。

子供達にはちょっと刺激が強すぎたようで「キャーキャー」言ってましたが、なんとか完走。少しづつならしていけば、いろいろ選択肢が出てきますので辛抱してね!


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小さな哲学者たち(2010年 フランス)

監督:ジャン=ピエール・ポッジ、ピエール・バルジエ


フランスの幼稚園で行われた哲学の授業を2年間カメラに収めたドキュメンタリー。


まずは、何かについて先生が問いかけをし、子供たちが答えていくことから始めます。

「リーダーとは」

「友達と恋人の違いは」

「真実とは」

「愛とは」

「貧困とは」・・・


テーマは大人でも難しいものだとは思いますが、彼らなりの考えをそのまま口にすることで、シンプルな答えが出てくることに驚きます。子供たち自身が初め戸惑っていましたが、次第に会話することの大切さ、相手の話を聞くことの大切さ、幼稚園から離れてても、家庭でもしくは幼稚園の砂場でいろんなことについて話し合うようになります。


文化の高さでしょうか、もともとフランス人はうんちくかんちく、言うのが好きな国民という印象が強いですが、自分の主張だけでなく、相手を尊重することを学んでいくあたりが、とても重要で、とても感心させられました。


日本では「豚がいた教室」なんかも、リベート力があって、大変興味深かったですが、日本人は良い子であることへの強迫観念のようなものがあり、もっともっと自由に思ったことを話し、人の言うことを聞いて、自分たちの意見をまとめていくような力が必要なのだろうな、と考えさせられました。


いろんな人に観てほしい一本ですね。



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真夜中の刑事(1976年 フランス)
監督:アラン・コルノー
主演:イブ・モンタン

マイベスト10位「インド夜想曲」の監督、アラン・コルノーの1976年のフィルムノワール。

一匹狼の刑事マルク 。今まで自分流の捜査で、危険も顧みず事件を解決してきた。上司からの信頼も厚く仕事一筋のマルクだったが、ある日出会った写真家の女性シルビアと恋に落ちる。一緒に暮らそうと誘うマルクだが、どこか謎めいた生活を送るシルビアは、それを拒み続ける。ある日、口論から喧嘩別れした二人だったが、その夜、シルビアは自宅で誰かに殺されてしまう。偶然その事件の担当となったマルクだが、全てが自分にとって不利な証拠、目撃者ばかりだった・・・

サスペンスの代表作「大時計」(未見なんです!)や、そのリメイクの「追いつめられて」を思わせるような完璧自分不利の展開の中で、独自に調査を進めていく犯罪サスペンス。イブ・モンタン扮する生活感のない孤独で実直な刑事が恋に落ちていく様と、後半に向け、目撃者たちに会わないようにしながら捜査を進めていく追いつめられ感が面白いのですが、段々となんかこちら(観る側)との歯車が狂ってきます。ぶっちゃけ、ええ年したフランスのおっさんの痴話ばなしやんけ!って感じで、展開にもかなり無理がでてきます。いわゆる迷作の匂いがプンプンして・・・好きです。さすが我がライバル、フランス人。確かギャルソンの時も、イブ・モンタンには叩きのめされたなぁー。恐るべし、フランス人!

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ちょっと年行きすぎたかなー
でもまだまだお盛んな感じ!
恐るべし、モンタン!
トゥルーグリット(2010年 アメリカ)
監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
出演:ジェフ・ブリッジッス、マット・デイモン、ヘイリー・スタインフェルド

コーエン兄弟が描く、ジョン・ウェインの代表作のリメイク。

父親を殺された14歳の少女マティ・ロスは、父の死体の回収と犯人への復讐を胸に誓い旅に出る。父の死体を回収後、マティは、すぐさま復讐の準備に取り掛かり、腕はいいがアル中の老保安官と契約、馬を購入し、犯人が逃げたインディアン領に向うが、それはとても過酷な旅の始まりだった。

最初から最後まで飽きることなく楽しめました。ちょっと抜けた感じのユーモア、一瞬のバイオレンス、しっかりとしたカメラ、主演の気合感。
コーエンらしさを敢えて殺したのか、いい意味でも悪い意味でもなく、一般的なエンターテイメントに仕上がっています。(仕上げたのか、そうなってしまったのかよくわかりませんが)正直、「アナザーカントリー」の良さは息を潜め、コーエンファンには物足りなく、アカデミー作品賞ノミネート自体も「?」な感じでしたが、主演のヘイリー・スタインフェルドの素晴らしさに出会えただけでも十分観る価値があるのかと思います。

オリジナルの「勇気ある追跡」は子供の頃、よくテレビで放映してましたが、何故か観た記憶がありません。予告のイメージばかりです。子供の食指には合わなかったのでしょうね。機会を見つけて見直します。


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