HideQの秘かな愉しみ -31ページ目
パンズ ラビリンス(2006年 メキシコ スペイン アメリカ)
監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:イバナ・バケロ、セルジ・ロペス、
スペイン内戦を背景に描かれたダークファンタジー。アカデミー賞、撮影賞、美術賞、メークアップ賞受賞。
1944年、再婚した臨月の母に連れられ、山中のレジスタンス掃討の指揮をとる軍人の養父のもとにやってきた少女オフェリア。冷酷で残忍な養父に恐怖と嫌悪を募らせたオフェリアは、到着した日から昆虫の姿をした妖精を見るようになり、やがてその妖精に導かれ森の中の迷宮に足を踏み入れる。そこで彼女を迎えた牧神パンは、彼女が地底の魔法の国のプリンセスの生まれ変わりで、次の満月の夜までに3つの試練を乗り越えれば、魔法の国に戻ることが出来ると告げる。オフェリアは、その言葉を信じ、3つの試練に立ち向かうことを決意するのだが・・・・
過酷な現実から逃避するかのように、森の迷宮に迷い込む少女。そのダークな妖精たちの雰囲気に負けず劣らずダークな現実がそこにあり、少女の力では何ともならない状況が、一層その悪夢のような空想力に拍車をかけて行きます。勝手な大人たちに振り回され、何もできない少女のもどかしさが強く描かれていて、それ故に痛々しく、とても哀しい。彼女自身がどこに折り合いを着けるのか、見守ることしかできない切なさがこの映画を支配してます。決して悪くないのですが、どういう時に観るべき映画なのか、どういう時に勧めればいいのか悩みますね。
こんなんに追いかけられたらチビるね~
というわけで、秋なので、観たいとは思いながら重たそうで手が出なかった映画を中心にクリアしようと思います。今のところラインナップは以下の通り
・パンズラビリンス
・ザ・ロード
・私を離さないで
・エレファント
・・・頑張りまーす。 タロットカード殺人事件(2006年 イギリス)
監督:ウディ・アレン
出演:スカーレット・ヨハンソン、ウディ・アレン、ヒュー・ジャックマン
ウディ・アレンがマッチポイントに引き続きスカーレット・ヨハンソンを主演に迎え、ロンドンを舞台に撮影したミステリーコメディ。
ジャーナリストを夢見るアメリカ人のサンドラは、休暇中のロンドンでマッジクショーを鑑賞中に三流奇術師のシドに指名され舞台に上がる。人が消える「チャイニーズボックス」という仕掛けに入れられたサンドラだが、その中で数日前に亡くなった一流ジャーナリストのストロンベルの幽霊に遭遇する。ストロンベルが言うには現在ロンドン中を震撼させている「タロットカード殺人事件」の犯人を知っており、間違いなく一大スクープになるとのこと。サンドラは何故かシドを巻き込みながら犯人の捜査に乗り出すことになるのだった・・・
「マッチポイント」では監督と主演という立場で共演できなかったスカーレット・ヨハンソンとウディ・アレンが、一緒に共演したいね、と書き上げたミステリーコメディ。二人のやり取りが本当に楽しそうで、それを観ているだけであっという間に時間が過ぎて行ってしまいます。特にスカーレットは可愛らしい演技をしますね。好感が持てます。そしてウディのスカーレットに対するスタンス、眼差しから、映画の中と外とで全く同じような空気が流れているようなフレンドリーな雰囲気が伝わりこの映画を素敵にしていますね。たまにこういう個人的な映画を撮りますが、「マンハッタン殺人ミステリー」でダイアン・キートンと共演した時と同じような空気感でしたね。
マッチポイントが好きになれなかった僕的には、こちらの方が好みです。画が締まるなぁ
私の中のあなた(2009年 アメリカ)
監督:ニック・カサベテス
出演:キャメロン・ディアス、アビゲイル・ブレスリン、ソフィア・バジリーバ、アレック・ボールドウィン
白血病の姉のドナーになるために産まれてきた少女と、その家族の愛、葛藤を描いたベストセラー小説「わたしのなかのあなた」をニック・カサヴェテス監督が映画化。
幸せに暮らしていたフィッツジェラルドの4人家族は、長女のケイトが2歳になったとき白血病と診断され生活が一変する。何とかケイトを救おうと両親がとった行動は、100%の適合ドナーとして遺伝子操作で妹を産むことだった。そうして産まれてきた次女アナだが、彼女が11歳になった時、ある決意をする。それは自分の体を守るために、両親を訴えることだった。
ニック・カサヴェテス監督はお気に入りなのですが、「ミルドレット」、「シーズ・ソー・ラブリー」でのお父さん色から、「君に読む物語」と今回の作品で独自色が出てきている感じがします。もちろん前者が好みなのですが、この2本も(ちょっとメローっぽさが出過ぎていますが)ドラマとしていいですね。
今回の作品は登場人物が皆魅力的で、それぞれの視点で公平に描かれているのが良かった。家族5人だけでなく、彼らに関わった人たちの気持ちもよく伝わりました。母親の視点、父親、家族、兄弟の視点、病人、医者、病人同士の視点、彼らを裁いたり、守ったりする裁判官や弁護士の視点。色んな人たちの心の葛藤を決して甘過ぎず、でも愛を持って描いてくれているので40過ぎたおっさんも深夜に一人でボロボロ泣いてしまいましたよ。
観る年齢でわかる視点もあると思うので、老若男女観れるドラマですし、観た後に色んな意見を交わせるという意味でいいドラマだったと思います。彼女が頑張ってたね。
オーシャンズ11(2001年 アメリカ)
監督:スティーブン・ソダーバーグ
出演:下記の通り
ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ、アンディ・ガルシア、マット・デイモン等、オールスターで展開する犯罪サスペンスをスティーブン・ソダーバーグ監督が手際良く料理する。
仮釈放中の窃盗犯ダニー・オーシャンは、刑務所で練り上げた犯罪計画を実行するため11人の仲間を集めた。目的はラスベガスの3大カジノの現金が集まる巨大金庫。難攻不落の厳重なセキュリティシステムを破るため、ミスを許されない秒刻みの計画を11人それぞれの担当をこなしていく・・・
黄金の 7人の流れをくむ犯罪エンターテイメントですね。緩さが足りないのが時代なのかもしれませんが、ソダーバーグは十分満足のいくエンターテイメントに仕上げているのではないでしょうか。オールスターっていうのが遊んでいていいですよね。あんまり考えずに楽しむにはいい映画です。
犯罪サスペンス、じゃなくて、あくまでコメディであって欲しいですね。あと、計画がうまくいくか、いかないのか、という危うさが重要ですよね。黄金の7人やルパン三世の2ndのように! 脱獄王(2009年 日本)
監督:板尾創路
出演:板尾創路、國村準
お笑い芸人・板尾創路が映画を撮ったらこうなった。脱獄を繰り返しては捕まえられ、捕まえられては脱獄を繰り返す男の真の目的と顛末をシュールに描く。
昭和初期、信州第二刑務所に鈴木雅之という男が移送されてきた。その物静かな佇まいとは裏腹にこれまで2度の脱獄をした曰くつきの囚人だった。刑務所の看守もプライドにかけて監視するが1時間も立たないうちに脱走されてしまう。しかし脱獄後あっさり捕まえられる鈴木。その後も脱獄しては捕まえられるのを繰り返し鈴木の罪は重くなっていくが、看守の金村は鈴木の真の目的が何なのか気になっていく。
いいのではないでしょうか。極力笑いを抑え、地味に展開しながら、ラストに向かって登りつめて行く。独自のセンス、表現方法で、好き勝手に進めている姿に、嫉妬する映画人もいるようですね。とても彼らしい手間をかけたシュールな笑いの映画でした。 
