HideQの秘かな愉しみ -29ページ目
ヤング≒アダルト
監督:ジェイソン・ライトマン
出演:シャーリーズ・セロン
「ジュノ」の監督ジェイソン・ライトマンと脚本ディアブロ・コディのコンビで贈る、いつまでも大人になれない身勝手なヒロインを描くコメディ・ドラマ。シャーリーズ・セロンがリアルに演じる。
高校を卒業し、田舎町を出て、都会でヤングアダルト小説のゴーストライターとして自立した生活を送るメイビス・ゲイリー。ある日、高校時代の恋人から赤ちゃん誕生祝いパーティーの招待メールが届く。衝動的に帰郷した彼女は、彼と自分こそが本当は結ばれるべきだったと、元カレに本気でコンタクトをとるのだった。
今、ブログを書きながら主人公の名前を忘れ、なかなか思い出せず、ネットでチェックしました。結局のところ、そういう女性なんですね、華やかにみえて、沢山の人に好かれたり、嫌われたりしながらも、注目を浴びて生きてきて、ふと気付くと誰も周りにいなくて、急に不安に襲われる。誰も彼女のことを忘れはしないけど、過去のランドマークでしかない存在。でも結局、こういう人は強いんです。何処かで急に折り合いを付けてしまうんです。だから誰も心配しないんですね。で、名前を忘れてしまう。
そういうリアルさをライトマンは描いてます。いつもながらリアルさを大切にしてくれますが、胸を打つかというとそうではない。主人公に対するシニカル度が強いためか、感情移入は周りにしてしまい、どこか遠い目で主人公を見つめてしまいます。それが狙いかもしれませんが、ちょっと間口が狭かったかな、というのが正直な印象です。こういう女性たちはこの映画を観ても、それが自分の事を語っているということに気付かないような人達ですもんねー。
でも、今回はそういう女性をシャーリーズ・セロンが楽しそうにしっかりとリアルに演じていて、それを見るだけでも一見の価値はあると思いますよ。
フレンチコネクション(1971年 アメリカ)
監督:ウィリアム・フリードキン
出演:ジーン・ハックマン、ロイ・シャイダー、フェルナンド・レイ
W・フリードキン監督が、NYの麻薬捜査官の執念を描いた刑事ドラマの傑作。アカデミー賞 作品、監督、主演男優、脚色、編集賞受賞作品。
NYのドイル刑事は、ポパイの通称で恐れられているタフな麻薬捜査官。今日も街中で事件の匂いを嗅ぎ分け、怪しげな男を尾行する。男はフランス マルセイユと、NYの麻薬取引ルートの鍵を握る男と判明。異常とも言える執念でポパイはこの取引に関わる者たちを追いかけ回す。
久しぶりに観ました。昔、TVでよく観ましたね。子供の頃はロイ・シャイダーが好きだったので観ていたと思いますが、やっぱり面白いですね。ジーン・ハックマン扮するポパイのキャラが素晴らしい。刑事ものとしては絶対客を呼べそうな男前の俳優でないのに、その存在感は抜群ですね。横にいるロイ・シャイダーの親近感がなかったら誰も近寄りません。怖いもの見たさで観てしまう感じでしょうか。しかしこの演技でアカデミー主演男優賞をもぎ取り、映画の中同様そういった文句をねじ伏せてしまいます。
また、この映画の中で重要なシーンが何度か出てきます。街中から地下鉄への尾行と、電車を追うカーチェイスはとてもスリリングで魅力的。何度見ても飽きさせません。アカデミー賞編集賞を取っていますが、映画史に残るスリリングなシーンを数多く生み出した功績は非常に大きいですね。
あと悪役のフェルナンド・レイの存在も逸品でこの映画の核となっています。ああいうのが本当の悪役なんでしょうねぇ。ずる賢くて用心深く、立ち回りが上手い、憎々しげな悪役を飄々と演じています。 アルゴ(2012年 アメリカ)
監督:ベン・アフレック
出演:ベン・アフレック、ジョン・グッドマン、アラン・アーキン、ブライアン・クランストン
アメリカが18年間最高機密情報として封印していた実話を映画化。1979年イランで革命派に占拠されたアメリカ大使館の人質の救出作戦とは、SF映画のロケ班になりすまして国外脱出を図るものだった!
1979年11月。大統領がアメリカに亡命したイランで、今までの悪政に対する民衆の怒りがピークに達し、アメリカ大使館を占拠し、52人の職員を人質にとる事件が勃発してしまう。その際に大使館から脱出し、カナダ大使の私邸に逃げ込んだ6人の職員がいた。逃げることで人質にはならなかったものの、もし見つかったらスパイ容疑で公開処刑されてしまう、外にも一歩も外出できない状況でイラン側に見つかるのも時間の問題だった。その間、アメリカ国防省でも人質救出の作戦を練ってはいたが、どれも絶望的なものばかりだった。そこで協力を求められたCIAの人質奪還の専門家、トニー・メンデスはある計画を練り上げる。それはカナダ製SF映画のロケ班として、彼らをイランから脱出させるという前代未聞の計画だった!
シンプルなストリーテラー、十分な緊張感、現地の状況のリアルさ、非常に質の高いサスペンスでした。信頼のおけるブロガーさんたちの評価も良かったですし、何より映画ファンとしてこの題材で、且つイスラム圏に5年住んでいた者として観ない訳にはいきません。久しぶりに映画館に駆け込みました。
まず何と言ってもこれが事実であることに驚き、そして観ている限り過剰に演出しているようには見えないことに感心させられます。できる限り事実に基づいて描かれた脚本と、演出に好感を持ちました。
脱出の方法としてはこの時代だから可能だったところもあると思いますが、それでも一つ間違えれば恐ろしい結果を招いていたでしょうし、何もしなければ見つけ出されるのは時間の問題だったでしょう。一か八かで空港を脱出する緊張感、恐怖感は計り知れません。この環境下でそれに協力をするというリスクもすごいものがあります。これに携わった人々は非常に難しい選択を迫られたと思います。僕はインドネシアの暴動の後に赴任したのですが、あの暴動の際に現地にいた前任者たちは本当に恐怖のなかで逃げ、いろんな選択を迫られたことを聞いており、非常に身近に感じました。特に普段から虐げられた人々のフラストレーションが爆発すると、まず正しい、正しくないの判断ができなくなってしまいます。これが何より怖いですね。
そして俳優陣も良かった。現地の人々の緊張感ある演技も良かったですが、アメリカ側の主人公のCIAの上司に扮したブライアン・クランストンの緊張感ある演技と、アラン・アーキン扮するハリウッドの製作者と、ジョン・グッドマン扮するメークアップアーティストの絶妙なやりとり、現地の緊迫感と、アメリカの緊張感、そして緩急のバランスが非常に良かったですね。
また、今回特に気になったのは、絶対に映画化されるだろう今回のテーマを如何に手に入れ(製作者にはジョージ・クルーニも名を連ねていますね)、それを何故ベン・アフレックに任されたのか、非常に上手く仕上がったからいいものの、この話同様、かなりの賭けだったのではなかったのかなぁ、と思います。
未見の方は是非!
Argo fuck yourself! あの胸にもういちど(1968年 フランス)
監督:ジャック・カーディフ
出演:マリアンヌ・フェイスフル、アラン・ドロン
人妻が、早朝、夫が寝ている間にベッドから抜け出し、愛人のもとへバイクを走らせる「オートバイ」というメロドラマの映画化。主演のフェイスフルは映画史上に残るフェロモンを振り撒いた。
レベッカは結婚したばかりの人妻。ただ冴えない夫にすでに愛想を尽かし、以前から恋仲のドイツに住む大学教授の愛人の元へ今日もバイクを走らせるのだった。裸に皮のツナギを着て、ハーレーに跨がり、フランスからドイツへの道のりを妄想しながら疾走する・・・
昔から(小学生の頃から)この映画のことは気になっていて、この度やっと観ることができました。ポストカードも持っていて、皮のツナギ姿のフェイスフルが気になっていたのでした。ただ、映画が始まって数秒で「なんか違うな」という違和感が出てきましたが、全編を通してその思いは払拭できませんでしたね。結局、その時代の映画っていう奴ですね。なかなか観る機会がなかったことが理解できました。もう一度、リメイクしても面白いかもしれませんが、これは逆に格好良すぎてもダメですね。誰かが勘違いして目も当てられない結果になりそうで恐い・・・。
それでも裸に革のつなぎを着てハーレーに跨がるフェイスフルは、男の妄想が産んだ一つの完成形ですね、うん。 ブロークン イングリッシュ(2007年 アメリカ)
監督:ゾーイ・カサヴェテス
出演:パーカー・ポージー、メルヴィル・プポー
ジョン・カサヴェテスの娘、ゾーイ・カサヴェテスが監督デビューを飾った恋愛映画。
ノラは、ニューヨークのホテルで働く30代の独身女性。自分の恋人を親友に紹介したために二人は結婚してしまったり、恋のチャンスはなくはないが、自分のキャリアや、理想の結婚相手へのハードルなんかを気にしていると、どこか縁遠く、焦りも出てきていることに自分でも嫌気がさしてきた頃。そんな時、暇つぶしに出たパーティーで知り合ったフランス人のジュリアンから情熱的なアプローチを受けるのだが、年下で異国の相手に真剣にはなれないノラだった・・・
これも軽い恋愛映画ですが、この映画の主人公に共感する女性は多いのでしょうかね。共感できずとも、同じような境遇にいる人は沢山いると思います。自分が思っている程、悪いわけでもないのに、見過ごしたり、見ないふりをしたりして、うまくパートナーを見つけることができなくなってしまっている女性。もちろん女性に限らず男性でもいますね。でも妥協なんか出来ないし、すべきじゃないですね。すぐ別れるのも嫌ですしね。そういう難しい年頃の気持ちを上手く描いていますね。
先の数本でも、アメリカとフランスのことを書きましたが、ここでも正に同じことが描かれてますね。映画はとてもチャーミングで、フランス人のメルヴィル・プポーもとても好感が持てます。
ゾーイ監督はお父さんの持ってる街のリアルな雰囲気をちゃんと引き継いで描いている印象を受けました。今後も注目していきます。
何故か立て続けに、フランス人とアメリカ人のカップルものを見てますが、恋人たちの二日間が女性がフランス人で、この映画は女性がアメリカ人。で、どちらも女性監督で、女性側の国籍。非常に興味深いですね。結局、アメリカ人は保守的で、フランス人の解放的なところに憧れたり、ついていけなかったり、っていうのがテーマなんでしょうね。日本人はアメリカ人をもっと保守的にした人種ですから、なっかなかそういう輪の中に入るのは厳しいですね。いやいや、難しくしているのはこちら側なんですよね。 
