HideQの秘かな愉しみ -27ページ目
人生はビギナーズ(2010年 アメリカ)
監督:マイク・ミルズ
出演:ユアン・マクレガー、クリストファー・プラマー、メラニー・ロラン
75歳、末期癌を宣告された父が、突然自分はゲイだとカミングアウトした。愛に臆病な主人公が、死期迫る父と過ごすことで、自分に向き合う姿を監督マイク・ミルズの実体験をベースに描く。
アートディレクターのオリヴァーは、愛に臆病な38歳の独身男。ある日突然、44年連れ添った妻に先立たれ、自らも癌を宣告された父に、自分はゲイだと告白されてしまう。厳格だった父の突然のカミングアウトに戸惑いながらも、人生を謳歌する父と語り合うことで距離を縮めて行く・・・
映画は、愛に臆病になってしまった主人公が、自分を解放した喜びに包まれた父に動揺を隠しきれず、また母親への不義理に腹を立てながらも、それを受け入れて消化すること、自分の愛に対する思いを修正しようと苦悩する姿をライトに描いています。
アカデミー賞助演男優賞を受賞したクリストファー・プラマーは、もちろんのこと、ユァン・マクレガーも、メラニー・ロランもとても素敵でした(やっぱり好きだなぁ、ロランちゃん)。そして、特に皆の気持ちを直向きに繋いでくれたワンちゃんのアーサーくんが最高に素敵でしたね。監督のマイク・ミルズはあまり知りませんが、覚えておこうと思いました。
これ、設定からしてコメディなのかと思って借りましたが、とても愛に満ちたいい映画でした。ジワジワと、ふつふつと、感動してきます。観ている時よりも、観た後に感動する映画も少ないですが、そういう感じです。何歳になっても悩んだり、驚いたりして、愛したり、嫌ったりして、それでも愛されなかったり、そしてまた愛したり。そういうことを繰り返し「大人になって」いかなければいけませんが、いつまで経っても「ビギナーズ」なんですね、これが。
映画をたくさん観ていることのアドバンテージを実生活でちゃんと活かさないといかんなぁ・・・、なんて思っちゃいました。未見の方にはオススメします。 ドライブ(2011年 アメリカ)
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
出演:ライアン・ゴズリング、キャリー・マリガン
闇の稼業に手を染めたハリウッドの孤独なスタントマンが、愛する女性を守るために裏組織に戦いを挑む姿を描く。デンマーク出身のニコラス・ウィンディング・レフン監督は本作でカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞。
卓越したドライブテクニックで、昼は自動車修理工や、カースタントをしながら、夜は強盗の逃走を手助けするドライバー。常に警戒心を持ち、人と付き合わないその男が、ある日出会った同じアパートで暮らす人妻のアイリーンと恋に落ちるが、彼女の夫が刑務所から出所してくることで歯車が狂い始める。
気になっていた一本、ようやく観れました。
めっきりバイオレンスがダメになったものの、これはそこそこ荒い描写はありますがなかなか面白かったです。映画全体に流れる寂れ感、B級感は、狙ってるところなのかな、スタイリッシュというよりも、昔懐かしい感じが強かったですね。蘇る金狼とか、そういう感じ。今回の配役がマッチしていたのかわかりませんが、主演のライアン・ゴズリングは何故か好感持っちゃうし、キャリー・マリガンは幸薄いながらも可愛い人妻を演じてました。欲をいうと、もっともっと、本物のカースタントが見たかったです。
そういえば昔のライアン・オニールとイザベル・アジャーニのドライバーなんて映画がありましたね。懐かしいなぁ。
飛べ、フェニックス(1965年 アメリカ)
監督:ロバート・アルドリッチ
出演:ジェームス・スチュワート、リチャード・アッテンボロー、ハーディ・クルーガー
ロバート・アルドリッチ監督が砂漠からの脱出劇を、サバイバルとプライドを軸に描いた作品。
砂嵐に巻き込まれ砂漠に不時着した石油会社の輸送機。救助の到着を待つか、残された水が尽きるか、そんな中、一人の男が奇想天外な脱出方法を考え出した。
タイトルは有名なものの、全く予備知識もなく、何故か観る機会もなかった映画のひとつ。ようやく観ました。こういうのもブログを通して色んな方の映画の紹介に触れてのことだと感謝してます。
で、映画ですが、面白かったです。サバイバルとプライドの映画。まさに男の映画ですね。映画は初老のパイロットと、飛行機設計士の男のプライド対決を軸に進みますが、この2人を取り巻く男達が一癖も二癖もあり、映画をとても魅力的なものにしています。特に、二人の間でなんとか妥協点を探りながら、事を前に進ませて行こうとするリチャード・アッテンボロー扮する副操縦士と、プライドを捨てて生き抜くことへ執着する軍曹、この2人が特に良かった。特にこの軍曹は、若い時に見たら男の風上に置けない情けない奴だと一蹴してしまいそうですが、この年になると、生き抜けばまた何か見えてくるわけで、サバイバルというのはプライドを捨てること、そういうものに拘りを見せずあっさりと捨ててみせるのもひとつの覚悟だし、この映画で対峙する主人公の二人に丸ごと対峙しているところが面白いですね。
アルドリッチ監督はロンゲストヤードなんかの印象が残っていますが、遺作のカルフォルニア・ドールズを何とか観たいと思ってます。 月に囚われた男
地球に不可欠なクリーンエネルギーを採掘するために3年契約で1人月で働く宇宙飛行士が、あるアクシデントを期に不可解な現象に巻き込まれる様を描いたSFミステリー。監督はデヴィド・ボウイの息子、ダンカン・ジョーンズ。
宇宙飛行士のサム・ベルは、地球へクリーンエネルギーを送るため、愛する家族と離れ、たった一人で月のエネルギー源を採掘する3年間の任務に着いている。相棒は人工知能を持ったロボット、ガーティのみ。任務終了もあと2週と迫った時、切削中に事故を起こしてしまう。気を失っていたサムは、意識を取り戻すと、何かが以前と変わっているような気がするが、何がおかしいのかがわからない。ガーティの制止を無視して、基地の外に出て行くのだが・・・
とても面白かったです。同時にとても切なくて良かったです。話が一体どう展開して行くのかと思いましたが、納得のいく展開でした。これをスパイク・ジョーンズ“なんか”が撮ると収集のつかない奇想天外な映画になりそうですが、意外に地味にうまく纏めてくれてますね。
評価の低い人もいますが、僕はとても面白かったと思います。孤独な状況に輪をかけて切なさが支配しますが、これがアメリカ映画でなく、イギリス映画というところが肝かなと思います。ヨーロッパで本格的なSFというのもあまり思い出せませんが、エンターテイメントを排したヨーロッパ的なSFで、今後もこういう映画を撮り続けて欲しいなと思いました。
2001年や、ブレードランナーや、サイレントランニングなどへのオマージュたっぷりに描いていて面白かったですよ。特にガーティの立ち位置がよかったですね。やはり画より、発想が大事ですね、特にSFは! 100歳の少年と12通の手紙(2009年 フランス)
監督:エリック・エマニュエル・シュミット
出演:ミシェル・ラロック、アミール、マックス・フォン・シドー
エリック・エマニュエル・シュミット監督が自身のベストセラー小説を映画化。白血病により、余命数日の少年が自らの人生を全うする姿を描く。
オスカーはいたずら好きの少年。でも白血病で小児病棟に入院し、余命わずかな状態。両親も悲しみに暮れているだけで、腹が立つ。そんな彼が唯一心を許したのが口悪いピザ屋のオバサン、ローズ。病院の医院長もオスカーの気持ちを知るためにローズに一役買ってもらおうと、毎日ピザを注文するかわりに彼の話し相手になるよう懇願する。それを引き受けた彼女は余命わずかなオスカーを元気づけるためある提案をする。それは1日を10年と考えて毎日を過ごし、その10年の感想を毎日神様宛てに手紙を書くというものだった。
子供の白血病、というだけで涙を誘う設定ですが、どちらかというと一生懸命生きる、まわりとわかり合うというテーマで勇気づけられる感じがします。悲しみも、迷いも、笑いも、喜びもあって、大人から子供まで幅広く観れて、好感が持てますね。特に僕は、オスカーだけでなく、ローズ自身の家族との接し方の変化が良かったと思います。「私の中のあなた」のような感じではなく、やはりフランス的な表現なのかな、と感じました。
なぜかプロレスのシーンがあったりして

