ミッドナイト・イン・パリ
監督:ウディ・アレン
出演:オーウェン・ウィルソン

古き良き時代のフランスに憧れた作家志望の脚本家が迷い込んだ、1920年代の巴里を描いたファンタジーコメディ。
photo:01


ハリウッドで成功した脚本家のギルは、脚本の仕事に満足できず、小説家になるために処女作を執筆中。婚約者のイズネと、彼女の両親と憧れのパリに訪れるが、どうも価値観が噛み合わない。おまけにイズネの男友達のポールの出現で、イズネとの関係もギクシャクしてしまい、一人夜のパリを彷徨うことに。道に迷ったギルは近づいてきた一台のクラシックカーに乗った人々に誘われるまま同乗することになるが・・・
photo:02


評判いいですね。いつも通りな感じがするのですが、一般的な露出が良かったのかな? いつも通りのノスタルジックな良さがとてもいい感じでした。カイロの紫の薔薇もそうですが、ウディのファンタジーは一度っきりじゃないところが良くて、何度も辿り着けるところが、何故か夢じゃなくて現実なんだと思わせてしまいますね。うまいですね。ゴチャゴチャと説明や辻褄に時間をかけないところも素敵です。
僕としては、ウディが切り取るパリの街並みがとても素敵で観てるだけでうっとりしてしまいました。また、「アーティスト」とは逆に巴里の魅力をアメリカ人が映し出したのが、同時期だけに面白かったです。
photo:03

ロボット(2010年 インド)
監督:シャンカール
出演:ラジニカーント、アイシュワリヤー・ラーイ

インド映画史上最高の制作費にして、最大のヒットを記録したSFアクション大作。
photo:01


天才工学博士のバシーは長年の研究の末、自分と瓜二つのロボット「チッティ」の開発に成功する。命令に忠実で、スーパーコンピューター並みの知能と運動能力を持ったチッティだが、こともあろうかバジーの恋人サナに恋をしてしまい歯車が狂い始める。
photo:02


節操の無さもここまで振り抜けると賞賛に値しますね。SF、ラブ、バイオレンス、アクション、道徳、そしてダンス、ダンス、ダンス。初インド映画でしたが、十分楽しめました。何でもありな分、詰め込みすぎで時間も長尺ですので、時間に十分余裕がある時にお勧めします。気持ちの方は特に余裕がなくても持ってってくれる感じですので大丈夫かと。(^O^)
photo:03


それにしてもサナ役のラーイさん、97年のミスワールドで世界一に選ばれただけに大変お美しいですが、驚くのはこの時、すでに37歳。相手がおっさんだとは言え、そのピチピチさに驚きました。
2012年のラストに選びました。ベストテン選出後でしたが、ま、番外編という感じですかね。スター隠し芸大会みたいなお祭り騒ぎで楽しかったです!こんな大掛かりな隠し芸はないか・・・σ(^_^;)
photo:04


アーティスト(2011年 フランス)
監督:ミッシェル・アザナヴィシウス
出演:ジャン・デジャルダン、ベレニス・ベジョ、アギー

ハリウッド黄金期を舞台に白黒&サイレントで描いたフランス製ロマンティック・ストーリー。2012年アカデミー賞 作品賞、監督賞、主演男優賞、作曲賞、衣装デザイン賞受賞。
photo:01


1927年のハリウッドでサイレント映画の大スターのヴァレンタインは、彼に憧れる女優の卵ペピーと出会い、彼の映画のエキストラとして出演した際に彼女に女優として成功していくためのアドバイスを贈る。
しばらくして時代がサイレントからトーキーへの転換期に差し掛かると、サイレントに固執したヴァレンタインが時代に取り残され、逆にペピーは持ち前の明るさでスターの階段を駆け上がっていくのだった・・・
photo:02


まず、何と言ってもこの映画をフランス人が作り、そしてアカデミー賞をごっそり持って行ったことが痛快です。フランス語だと外国語映画賞になりますが、サイレントだけに作品賞を受賞。地団駄踏んだアメリカ人もいたことでしょう。映画はとてもシンプルな話ですが、要所要所で見せる演出が心憎いです。ペピーが楽屋に掛かった衣装でする一人芝居や、堕ちていく者と駆け上がっていく者を描いた時々出てくる大きな階段のセット。トーキーに襲われるヴァレンタインの悪夢。そして愛らしいワンちゃんの演技。この時代にあえて原点回帰させたことにより、たくさんの映画人の目を覚まさせた貢献はアカデミー賞に十分相応しかったのではないかと思います。
とてもシンプルなストーリーに暖かい気持ちになれるいい映画でした。
photo:03

photo:04

photo:05

いっぱい持ってったねぇ
少年と自転車(2011年 ベルギー、フランス、イタリア)
監督:ジャン・ピエール・タルデンヌ、リュック・タルデンヌ
出演:セシル・ドゥ・フランス、トマス・ドレ

父親に見捨てられた少年の心の傷をダルデンヌ兄弟が丹念に描いたヒューマンドラマ。2011年カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ受賞作品。
photo:01


父から訳も知らされずに児童養護施設に預けられた12歳の少年シリル。父に捨てられた事実を受け入れることができず、毎日父を捜し続け、施設の人も手を焼いていた。そんなある日、ふとしたことで出会った美容師のサマンサは、父が売り飛ばしたシリルの大切な自転車を買い戻してくれる。親身になってくれるサマンサにセシルは週末だけの里親になってくれと頼み、二人は父親を捜し続けることになるが・・・
photo:02


まず状況というか、環境がなかなか理解できません。大変困った父親です。責任感も愛情も欠如しています。そして逆にサマンサは何故全く知らない子供に無償の愛を注げるのか、これも難しい。フランス的(ベルギー的?)な困った環境なのでしょう、それが決して異常ではないことがなんとなく伝わります。そしてどんな子供でもやはり愛情や友情に飢えていて、適切な愛情で接することが重要であることをこの映画は教えてくれます。この二人の大人がデフォルメされているだけで、少しその距離を縮めると同じような環境があちらこちらに見えてきます。それでも子供たちは無垢に、近い大人に従い、影響を受けていくのです。親というだけでなく、大人の責任を感じさせられたいい映画でした。こういう厄介な子よくいるよね、ではなく、そういう環境を作ってる状況を今一度見直さないといけませんね。ふぅ・・・
2012年映画評

去年は「ベニスに死す」がドーンと居てて、永遠の僕たち、僕のエリ、そしてジェイソン・ライトマン監督作品なんかのお気に入りがあり、ベストテンにあまり悩みませんでしたが、今年は正直悩みました。いい映画や好きな映画も沢山あるのですが、ドーンとした一本が見当たらなくて順位がつけれません。とりあえず絞った10作品は下記の通り。ちなみに主に最近のものにしました。そのまま順位としていいかな。

①Somewhere
photo:01


怠惰な日常からの脱却、自分を見つめ直すことに目覚めさしてくれた娘の存在。娘役のエル・ファニングが素晴らしかった。

②エレファント
photo:02


映画が持つ社会性の意義と、テクニカルな演出。

③人生はビギナーズ
photo:03


しみじみと味わう人生、愛の大切さ

④アーティスト
photo:07


ハリウッドが忘れていた映画の面白さを、フランス人がサイレントで作り、アカデミー賞を取る痛快さ。シンプルさも当て付けのように心地いい。(ブログまだ書いてません)

⑤アルゴ
photo:04


映画ファンとして何故か胸を張りたくなる映画。海外での混沌とした状況下での緊迫感を上手く描いていたのと、ハリウッド側の二人の好演が光った。

⑥127時間
photo:05


決して諦めない心を学ぶ

⑦少年と自転車
photo:08


無償の愛はその直向きさに報われる(ブログまだ書いてません)

⑧サラの鍵
photo:06


戦争映画だけでなく、ジャーナリズムというものを上手く表した一本

⑨ちいさな哲学者たち
photo:09


フランスの文化感の違いを見せつけられた一本。

⑩ブラックスワン
photo:10


不安というものを見事に表現し切った怪作。

⑩裏切りのサーカス
photo:11


この時代には地味過ぎるくらい地味な良質のスパイ映画。

(11本になってますね)

監督としては、エレファントのガス・ヴァン・サント、ブラックスワンのダーレン・アフノロスキ、アルゴのベン・アフレック、裏切りのサーカスのトーマス・アルフレッドソン、夜のとばりの物語のミッシェル・オスロのお仕事が印象に残りました。

演技としては、やはり、ブラックスワンのナタリー・ポートマン、アーティストのジャン・デュジャルダン、人生はビギナーズのクリストファー・プラマー、美しさでは、somewhereのエル・ファニング、人生はビギナーズ他のメラニーロランと、ドラゴンタトゥーの女ルーニー・マーラーが印象に残りました。

その他印象に残ったのは・・・
・私の中のあなた:今年最も泣いてしまった。
・ザ・ロード:父として考えさせられた一本。
・あの胸にもう一度:期待度とのギャップが最も激しかった一本。
・ダーウィンアワード:映画よりもその賞自体に興味が湧きました。
・アナとオットー:どこか不思議な雰囲気のある映画でした。
・マッハ2:今年の最低点ですね。残虐なTVゲームを隣で見せつけられた感じ

さて、今年一年も無事終え、ブログのおかげで充実したシネマライフを送ることができました。これもひとえに私の拙いブログを読んでいただける皆様のおかげと感謝しております。引き続き来年もよろしくお願い致します。