レヴェナント:蘇りし者(2015年 アメリカ)
監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ
撮影:エマニュエル・ルベツキ
出演:レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ

1823年のアメリカを舞台に、過酷な大自然の中での一人の男の復讐劇を壮大なスケールで描いたサバイバル・アドベンチャー。第88回アカデミー賞、12部門ノミネートされ、監督賞、主演男優賞、撮影賞受賞。
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【ストーリー】
1823年、アメリカ北西部。ヘンリー隊長をリーダーとし狩猟の旅を続けている一団のガイド役、ヒュー・グラス。彼には亡くなった先住民の妻との間にホークという息子がおり、一緒に旅をしていた。ある日、一団は先住民の襲撃を受け、多くの犠牲者を出し、更に逃げることを余儀なくされる。そして逃走の途中、ヒューは熊に襲われ瀕死の重傷を負ってしまう。
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【感想】
かなりの期待を込めて観ましたが、流石に素晴らしい仕上がりでした。
先ずは何と言っても期待せずにいられないのは、ルベツキさんの撮影。この人の場合、情景画だけでなく、技術、正にカメラワークと言いましょうか、映画撮影の凄さを体感させてくれるので、映画ファンとしては涎モノな訳ですが、最初の戦闘シーンから固唾を飲んで見つめる緊張感がありますね。得意の長回しでどこかでNG出たら撮り直しできるのだろうかと、それだけでも緊張感が味わえます。入念なリハーサルと、気合の本番という感じなのでしょうか、撮影の裏舞台を是非見てみたいですね。そして途中で射し込んでくる素晴らしい情景。本当に史上最高の撮影監督だと思います。彼の仕事を確認するためだけで何度でも映画を観たくなります。
そして俳優陣。確かにディカプリオは頑張ってましたし、特にアカデミーも異論はありませんが、トム・ハーディが面白かったですね。演じる喜びがヒシヒシと伝わってきました。
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そしてやはりこの人、イニャリトゥ監督。これらを取り仕切る監督の手腕と言いますか、全てをねじ伏せる説得力がありますね。バードマンもそうですが、映画の主題が一体何なのか分からないまま、緊張感を持って最後まで飽きることなく鑑賞させられてしまいます。何ともダイナミックな人生観を訴えてきますね。正に大きいスクリーンで観るべき一本です。マリックさんより説教臭くなく、キューブリックさんのような鬼才さを担っている数少ない監督の一人ですね。
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4月頃から仕事が異常に忙しくなり、映画を観る心の余裕と闘いながら何とか鑑賞はしているものの、ブログを書けないまま数ヶ月が過ぎてしまいました。休暇中にリハビリがてら鑑賞記録をアップさせていただきます。

01【JOY】
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飛行機で鑑賞。O・ラッセル、常に軽快で小気味好いのですが「世界にひとつのプレイブック」以降、何か物足りなさを感じます。小手先では通用しない何か。
02【バック・トゥ・ザ・フューチャー】
家族で鑑賞。抜群の安定感。タイムマシン評論としては、家族写真は中身が消えるのではなく、写真ごと消えるべきですね〜。
03【バック・トゥ・ザ・フューチャー2】
家族で鑑賞。実際の2016年はそこまで未来、未来してませんでしたね。子供も今ひとつだったようで、3を観てくれない。(^_^;)
04【エンド・オブ・ザ・ワールド】
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期待せずに観ましたが、意外と面白かったかな。世界の終わりに、一緒に居たいのは誰か?

05【ローラースケート・ダイアリーズ】
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ドリュー・バリモア監督作品。完全無欠のガールズ・ムービー。可愛いくて、好感持てました。
06【青春群像】
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フェレーニの初期監督作品。大人になりきれない青年の青春映画。怠惰な行き詰まり感が妙に活き活きとしていて面白い。今も昔もしているコトはあまり変わらないのかもね。
07【サウスポー】
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ギレンホールの役者魂。面白かったですが、最後の最後にDVDがクラッシュ! もう一度観る元気はない・・・
08【ペコロスの母に会いに行く】
これも、意外と面白かったです。こじんまり感がいいのかなぁ。原田貴和子って久し振りに見ましたが、しっかりした女優さんになってる印象。
09【レヴァナント】
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何でしょうか、素晴らしいですね。
映画そのものというか、それぞれのプロフェッショナルな仕事に感心させられる。特に撮影監督のルベツキさんのお仕事は何度でも観れる気がします。そう何度も観れるような映画でもないはずなのですが・・・。そして、それらをまとめるイリニャトウ監督、恐るべし。
10【スピード】
子供と鑑賞。ツッコミどころが多い映画ですが、勢いで持って行った監督の逃げ勝ちですね。ワイワイ言いながら楽しみました。
11【ファントム・オブ・ザ・パラダイス】
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娘と鑑賞。お父ちゃんお気に入りも、どうかなぁ、と心配しましたが、これ観て泣いてました・・・。それはそれでスゴイなと思いますが。
12【ニュー・シネマ・パラダイス】
これも娘と鑑賞。これでも泣いてましたので、雑食なのでしょうかね。(^_^;) こちらで泣くほうが受け入れ易いかもしれませんが。これも広く受け入れられた映画ですが、NHKの朝ドラ観てる感じですね。
13【雨月物語】
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人の欲望の成れの果て。今こそ観るべき映画なのかもしれませんね。
14【ロック・ザ・カスバ!】
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ビル・マーレイ。ちょっと乗り切れないところも、サラッとスカす、ビル・マーレイ。
15【サンダーボルト】
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マイケル・チミノ監督でしたね。すっかり忘れてました。ジェフ・ブリッジスが好きなのはこの映画からですね。
16【アウトロー】
意外と面白かったですが、次作があるのかどうか。MI同様、トムさんが限界を超えてくるか。
17【花様年華】
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久し振りのウォン・カーウェイ。観てるときは雰囲気で観ましたが、観た後、話を繋げていくのが面白かったかな。
18【恋する惑星】
娘と鑑賞。ひっさしぶりに観ましたが、これも17同様雰囲気重視ですね。昔と印象変わらず。
19【ゲーム】
どうなんでしょう・・・。脚本、崩壊してる? してない? まぁ、どっちでもええわ。
20【プール】
スローライフ系邦画。もう少しドラマがあって欲しいですね。何を観せたいのか、しっかりしたテーマが必要かな。
21【荒野の七人】
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息子と鑑賞。いやぁ、懐かしいですね〜。まず、音楽ですが、これがこの映画のメインテーマだったんですね。すっかり忘れてました。僕はマックィーン、妻はユル・ブリンナー、息子は・・・ジェームス・コバーンが格好良かったと。なかなか渋いなぁ。

引き続きよろしくお願いします!
大変ご無沙汰しております。

4月頃から仕事が異常に忙しくなり、すっかりブログをサボっておりました。今は、インドネシアのレバラン休暇でバリ島におります。初、スキューバーダイビング、サーフィンにトライし、今は北東のアメッドで海の前のコテージを借りてのんびりしています。波の音しか聞こえてきません。
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映画は観てますので、少しずつアップしていきますね。
【前置】
去年の暮れにスマートウォッチを購入しまして、これがアナログ時計なのですが、スマホと連携して、歩数、睡眠時間のログを取り、目覚ましをしてくれるシンプルなものです。
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・・・で、歩数ですが、これを視覚化されると、この国での生活の凄まじさがよくわかります。・・・全然、歩きません。毎日、安全上の理由から運転手付きの車でドアtoドア、会社でも経理なのでデスクワーク。1日2千歩いきません。一念発起して、毎週ゴルフはカートを使わず、ジムでのランニングも始めました。先日は、初めて、40分間、時速7.5kmで5km走り、心地いい疲労感で家に帰りました。
ちょっと疲れたのですが、映画も観ないといけないと、ちょっと短めのものを探して観たのがこの映画。


世界の果ての通学路(フランス 2012年)
監督:パスカル・プリッソン

危険な道程を毎日何時間もかけて学校に通う子供たちの通学風景を撮った驚きと感動のドキュメンタリー。本人たち、そして家族の想い、教育の意義を訴える。
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【ストーリー】
4つの地域で、質素な暮らしをしながらも、学校に通えることに希望を見出す子供たちがいる。教育が唯一、貧困から抜け出す術だと理解する彼らは、学校までの過酷な道程を毎日駆け抜けていく。

①ケニア ジャクソン君 11歳
毎日、片道15km 2時間
妹を連れて、危険な象の群れを避けながらサバンナを走りぬきます。毎年4、5人の子供が象に襲われて亡くなっている。
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②アルゼンチン カルロス君 11歳
毎日 片道18km 1時間半
妹を連れて馬のキベリトに乗っての通学。足場の悪い瓦礫の山を通えるのも冷静沈着なキベリトのおかげだ。
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③モロッコ ザビラちゃん 12歳
毎週 片道22km 4時間
イスラム教の彼女の村では女性は教育を受けさせてもらえず、彼女が初めて学校に行くことになる世代。市場で交換するための鶏も持ちながら出発。
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④インド サミュエル 13歳
片道4km 1時間15分
生まれつき両手両足が麻痺して体が不自由なサミュエルを、幼い弟2人が急ごしらえのオンボロ車椅子を押しながら通います。
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【感想】
・・・・自分が恥ずかしい。ジャクソン君が妹と毎日通学しているのが、これ正に時速7.5kmですね、それも3倍の距離を毎日。それも象の群れを避けながら命懸けです。
その他の子も観ていて本当に道程が危険ですし、大変。でも彼らはそれが仕事じゃないんですね。そして楽しい訳でもないんです。勉強がしたい、教育を受けたい一心で仕方なく通っているんです。その通学が終わった後が本業なんですね。そりゃ、疲れても寝ませんね。志が違う。
横で息子が観ていましたが、映画が終わったら、何か嫌ごとを言われると感じ、ソソクサと部屋を出て行きました。
それにしても真っすぐな気持ちが清々しい映画でした。僕も頑張る! 息子の代わりに誓った父親でした。

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あそこの木陰に象の群れがいるから、今日はこっちから廻って行こう。





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スミス都へ行く(1939年 アメリカ)
監督:フランク・キャプラ
出演:ジェームス・スチュワート、ジーン・アーサー、クロード・レインズ、ハーリー・ケリー

腐敗した政治の世界に巻き込まれながらも、必死に抵抗する一人の青年の姿を通し、アメリカン・スピリットを説く感動作。フランク・キャプラ+ジェームス・スチュワートの名コンビで描く。
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【ストーリー】
上院議員の空席を埋めるため、政治に疎い少年団の人気リーダのスミスが担ぎ出された。だが、議会の目論みをよそに必要以上の熱意で挑むスミスに、経済界の黒幕の利害と軋轢を生むことになってしまう・・・・
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【感想】
名前はよく知っているけど、全く内容も知らない映画は沢山ありますが、観ない訳にもいかないので、時間がポッカリ空いた時などに粛々と観ていくわけです。でも、やはり名前が通っているだけに面白いですね。素通りさせない力があります。この映画もアメリカの良心を真摯に描いています。正に「良心とはなんぞや」と訴えかけます。ジェームス・スチュワートは大好きな俳優さんなので、観ていても感情移入してしまいますが、正にアメリカの良心。アラバマ物語のグレゴリー・ペックや、12人の怒れる男のヘンリー・フォンダのような力強さはまだないものの、真面目に正義に向き合う姿に心動かされますね。映画を観ながら、自分自身も世の中を斜に見るのは好きでないんだなぁ、と改めて思いますし、思い出させますね。

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フランク・キャプラ監督は、「素晴らしき哉、人生」でも、ジェームス・スチュワートを魅力的に使いますが、主人公だけでなく脇役の使い方もなかなかいいんですね。それぞれの想いというのを感じさせます。
まず、秘書の ジーン・アーサーが、スミスの魅力を少しずつ理解しサポートする姿に力強さを感じ、味方から敵となる政治家のクロード・レインズ自身の葛藤も映画のキーになります。そして、それを見守る議長のハリー・ケリーの優しい眼差しが素敵ですね。その他にもなかなか魅力的なキャラクターが登場します。テーマもブレることなくコンパクトにまとめられており、飽きずに最後まで楽しめました。

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大きなモノに立ち向かう勇気は、無垢なのか、信念なのか。




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