僕の好きな画家の石井一男さんが
今年の3月に82歳で亡くなっていたことを
最近になって知りました。
石井さんは、
大学時代に油絵を描き始めたけれど
絵を描く仲間とのつきあいになじめず
いったんは筆を折ってしまいます。
二十代のころから
月に数万円の、人と会わなくてよいバイトで
食いつなぎながら、
家にこもった。
とにかく生きるだけで精一杯。
45歳の時に生きることの不安から逃げるために
再び絵筆をとる。
絵を描いていると、その時だけは気が休まった。
絵を見てくれる人は誰もいない。
けれど、ひたすら描き続ける。
「自分はもう死ぬかもしれない」
という思いから、
ある画廊の経営主に
決死の覚悟で電話をして
作品を見てもらい、そこで見出される。
その時、石井さんは49歳。
以来、絵が売れるようになった後も
派手な暮らしは望まず、
一人、家で自分と向き合うためだけに
絵を描き続けた。
僕が初めて石井さんの存在を知ったのは
上原隆さんというコラムニストが
朝日新聞で連載をしていた時のこと。
そこで石井さんの静かで質素な生活、
心の中に秘めた情熱を書いていて
興味を持ちました。
その数年後、情熱大陸で
初めて動く石井さんを見た。
石井さんは関西(兵庫県)の人ですが
東京でも個展をやっていたので
僕も二回ほど行ったことがあります。
ギャラリーのホームページには
今年11月に神戸で追悼の個展をやる、
と書かれていて、
「これはぜひとも行きたいけど、
最近遠出してなくて
出かけること自体億劫だし、金もきついし、、、
でも最初で最後のチャンスだから行きたいなぁ。」
と悩み中です。
最後に、石井さんの言葉です。
「発表するあてもない作品は、
無名のままであり続けて風化して土に帰ればよい」