漫画家つげ義春さんが88歳で亡くなった。


僕は熱心な「つげファン」
というわけではないけれど、
2008年から2009年に
ちくま文庫から刊行された
「つげ義春コレクション」(全9巻)を
すべて買いそろえて
読む程度には、ファンです。


そもそも最初につげ義春さんに興味を持ったのは
その作品というよりも
つげさん自身の生き方や人間性。


「つげ義春コレクション」の中の
「苦節十年記」というエッセイの巻に
「つげ義春自分史」という章があって
そこで彼が年別に、自分の仕事や
健康状態、身に起きた出来事を
書いてます。

 

 



子供の頃からの対人恐怖や赤面症。
金を工面するために何かを始めても
何もうまくいかないこと。
思わぬ「つげブーム」へのとまどい。
妻子を持つに至ったが
一人息子がひきこもりになったり、
妻は癌で早死してしまったり。


そしてなにより、
自分史を読んで僕が思うのは
「この人、不健康すぎて絶対に早死にするでしょ」
ということ。


生涯悩まされることになる
不安神経症、不眠を始めとして
眼の病気、耳鳴り、不整脈、口内炎が治らない、
腎盂炎、リウマチ、原因不明の虫歯でない歯痛、
糖尿病、などなど、、、。

まさに病気のデパート。


そして2008年、

「つげ義春コレクション」が刊行された

71歳の時点でのつげさんの願いはただ一つ。


「世間との一切の関係から切られた
単独の乞食こそ最高の生き方である」


根っからのネガティブ思考で
(おそらく)それに伴う
肉体的な病気が多発して、
88歳まで死なずに
生き延びたことは
すごいことだと思った。


それに関連して思い出すのは、
ドイツの映画監督だった
レニ・リーフェンシュタール。


彼女は1936年の
ベルリンオリンピックの記録映画である
「民族の祭典」「美の祭典」など、
映画を使ってアドルフヒトラーを神に祭り上げた
悪名高き(?)天才映画監督です。


ということは、当然のことながら
第二次大戦後は世界中から
とてつもない非難を浴び続けることになる。


後年のインタビューで
リーフェンシュタールは
「戦後の私に対する誹謗中傷で、
私はあらゆる種類の神経症になり
薬を飲んでも全然眠れなくなった」
と発言しています。


それでも彼女は
101歳まで生きました。


こういう、若いころから
神経を病んでいても
長生きしている人たちの例を見ると、
僕も飢え死にしない程度の金があれば
長生きする可能性があるということ?


つくづく、「人の命は運次第」だと
思いました。


それでは今日はこのへんで。
最後まで読んでいただき
ありがとうございました。


あ、つげさんが亡くなったニュースを見て
彼の漫画やエッセイをペラペラ読み返していたら
「やっぱり素晴らしい」んですよね。
これを機にまた読みたいと思います。