相変わらずの慢性頭痛。
絶望感は深まるばかり。
全く何もやる気が起きないのですが、
毎回そんな話を読まされても
ウンザリだと思うので、
今日は読書日記だけ。


前回、途中まで読んだと書いた
梁石日さんの「夜を賭けて」。


前半は、大阪で生きていくために
鉄くずを盗んで売る
「アパッチ族」の話。
後半は、その罪で
朝鮮人収容所に入れられた主人公の男と
彼が出てくるのを待つ
一人の女の純愛物語。


前後半で全然タッチが違いましたが、
読後感もよかったです。


この「夜を賭けて」。
90年代半ばに直木賞候補になった作品です。
読後に選評を調べてみたのですが、
前後半で違う話になっているところが
「粗い構成」という意見が多く、
五木寛之さんと井上ひさしさんが
強く受賞を推している他は
けっして評価は高いものではありませんでした。


ちなみに、この4年後に
同じ著者の「血と骨」も
直木賞候補になるのですが、
この時も五木寛之さんと
井上ひさしさんと阿刀田高さんぐらいしか
推してない。


こんなに読者の
魂を揺さぶる作品なのに!


他の候補作を
読んでいるわけではありませんが、
当時の直木賞選考委員と僕とは
気が合わないみたい。



・凪良ゆう「流浪の月」


本屋大賞受賞作です。




ある少女が、自分の家が嫌で
出会った大学生の男の家に行って、
そこで生活するようになる。
少女にとっては心地良い時間を過ごす。
2か月後、大学生の男は誘拐の罪で捕まる。
15年後、その二人が街で再会して、、、
という話。


凪良さんは、
ドキドキハラハラさせる展開に
話を持っていくのが
巧みな作家だと思いました。

 

 

「当事者にしかわからない事情」と

「世間一般からの見られ方」の対比を

うまく作品に取り込んでいて

いたるところに「葛藤」がある。



僕の場合、現実でも、小説内でも、
ドキドキハラハラしたくないので
「面白くなってきたぞぉ~」ってところで
何度も本を閉じてしまいました。


というわけで、本屋大賞受賞は納得。
同著者の他の本も読んでみたいけど
図書館で予約されまくってて
借りられません。
しばらく待ちたいと思います。


それでは、読んでいただき
ありがとうございました。