徐裕行とヤクザの震災ビジネス | 村井秀夫刺殺事件の真相を追って

村井秀夫刺殺事件の真相を追って

村井秀夫は何故殺されたのか?徐裕行とは何者なのか?
オウム真理教や在日闇社会の謎を追跡します。
当時のマスコミ・警察・司法の問題点も検証していきます。
(2018年7月6日、麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚らの死刑執行。特別企画実施中。)

徐裕行と東日本大震災



2011年3月11日。
この日、東北地方を中心に、東日本大震災が発生し、
巨大津波や家屋の倒壊などで、2万人近くの人たちが命を落とした。

更に、津波の影響で福島原理力発電所の放射能漏れ事故が発生し、
40万人以上の避難民が、極寒の中避難生活を強いられた。

自衛隊、消防隊、企業・民間ボランティアなどが現場へ駆けつけ、被災者の救助やがれきの撤去、炊き出しなど復興支援をした。

その中で暴力団が被災者に炊き出しを行う光景が見られた。
一部のマスコミは彼らを「任侠道」だと持ち上げた。

殺人犯・徐裕行にとっては、東日本大震災は「濡れ手で粟」の出来事であった。
復興支援の様子をブログに公表すれば、人殺しでも更生しているように誤摩化しがつくからだ。
自分の利益のためなら、オウム被害者も、拉致被害者も、被災者も、骨の髄までしゃぶり尽くす。それが徐のスタンスなのだ。

徐は早速、支援団体「G-rise日本」へ向かった。

「G-rise日本」は静岡県富士宮市猪之頭に拠点が置かれた組織である。
かつてはこの付近にオウム真理教「富士山本部道場」や「第4サティアン」が所在しており、徐が刺殺した村井秀夫にとっても縁のある地域だった。

この地域を支配していたのは山口組系二次団体・後藤組である。
組長は、後藤忠政(本名:後藤忠正)。
2008年に山口組から絶縁され解散状態となっていたが、水面下で活動を続けていた。
そして、この後藤忠政が、「G-rise日本 憚りながら支援者後援」の主催者だったのである。

徐は公判で裁判官に対し「暴力団との付き合いは絶つ」と宣言していたが、約束を反故にした。

徐は後藤の援助で、ワゴン車や10tトラック、4tトラックをかき集め、大量の水や食料、缶入りのガソリン、防寒具を車内に詰め込んだ。





「G-rise日本」の代表は夏井辰徳。野村秋介の門下生であり、その縁で後藤と関係を持つようになった。(夏井は袴田事件冤罪運動の一貫として、後藤組長と共に映画『BOX袴田事件-命とは』の制作。脚本に関わっていた。)
徐は「G-rise日本」の副代表を務めた。メンバーは10名余だった。


(メンバーのブログサイト)


横断幕には「朝霧ビバレッジ㈱」の社名

彼らは南相馬市やいわき市へ向かい、被災者に支援物資を配った。



徐と握手を交わす南相馬市長・桜井勝延氏。しかしその右手は村井をあの世へ送った血なまぐさい手でもある。非常時とはいえ如何なものか


取材を受ける夏井、徐裕行

ここまで読むと、殺人鬼とはいえ、徐裕行の行動は正当であると感じた方もいるだろう。
しかし、現地では被災者と暴力団のトラブルが問題になっていたのだ。
以下、「社会VS暴力団暴対法20年の軌跡」より抜粋。


被災地における暴力団犯罪

警察庁は「平成24年度上半期の暴力団情勢」(以下「平成24年度情勢」という)において、東日本大震災に復興事業に絡み、暴力団が、被災者を対象とした貸付制度を悪用して貸付金を搾取したり、被災地の復旧・復興工事に労働者を違法に派遣するなど、震災の復興事業に介入している実態がうかがえる」とする。

福島県における暴力団による犯罪は具体的にはどのような事件が発生しているか、地元新聞である「福島民報」の報道から調査を行った。また、調査期間は平成23年4月1日~平成24年10月31日とした。



⑴暴力団による傷害・恐喝・窃盗事件

①平成23年の事件
住吉会系暴力団のとび職ら6人が傷害容疑で逮捕(いわき、6月9日)。
住吉会系暴力団組長が住宅侵入容疑で逮捕(いわき、7月20日)。
稲川会系暴力団組員が、言いがかりをつけて30万円を恐喝で逮捕(郡山、8月26日)。
住吉会系暴力団組員4名を拳銃不法所持容疑で逮捕。福島県警と宮城県警の合同捜査(拳銃27丁銃弾43発が相馬署管内で発見されたことによる)(12月27日)。

②平成24年度の事件
原発仮払保証金を受けていた双葉郡の男性から100万円を脅し取った容疑で、住吉会系暴力団組員2名を逮捕(郡山・双葉、1月18日)。
郡山の会社員への貸付に関する貸金業違反容疑(法定利息の60倍)で、稲川系暴力団組員を逮捕(郡山、1月20日)。
顔見知りの男性を暴力団幹部が金属バットで殴り、左肘を骨折させた傷害容疑(会津若松、3月3日)。
郡山うねめ祭りの提灯(1,500円相当)を盗んだ窃盗容疑で逮捕(郡山、9月5日)
住吉会系暴力団組員が経営する人材派遣会社の従業員男性が無断で震災復旧工事の仕事を辞めたことに因縁をつけ、自宅で825万円を脅し取ろうとした容疑で、同組員ら7人を恐喝未遂で逮捕(郡山、12月23日)

⑵暴力団による詐欺事件

①平成23年の事件

被災世帯貸付制度を悪用し、貸付金をだまし取った(10万円)容疑で山口組系暴力団組長を逮捕。  
同貸付制度は、暴力団緩傾斜は利用できないが、福島県社会福祉協議会に身分を偽って申請。他に、100件の不正利用がある模様。

②平成24年度の事件
損保会社から交通事故に伴う休業補償金を騙し取った118万円容疑で警視庁は、郡山市の山口組系暴力団組長を逮捕(2月2日)。

平成23年4月に、福島県会社服し協議会の被災者向小口と区別貸付制度を暴力団関係者を騙して20万円を騙し取った容疑で、相馬市の住吉会系暴力団組長を逮捕。(2月21日)

暴力団関係企業が原発事故被災中小企業向融資制度を悪用しようとこれまで9件、12,500万円の申請を行っていたが、県産業復興センターから相談を受けた福島県警が審査段階で未然防止。(9月19日)

これらの詐欺事件等について、福島県警の幹部は「限りなくグレーだが、暴力団と確認できざ検挙できなかったケースも多い。逮捕できたのは一部に過ぎない」と話すといった報道(平成24年10月28日朝日新聞)もあり、捜査の困難性が窺える。

⑶暴力団関係者の違法派遣等事件

東日本大震災の復興において、原発事故作業と放射能の除染作業に多額の資金が投入されているが、その資金を狙って作業請負等に暴力団が介入する可能性があるため、前者では、平成23年7月19日に警察庁の働きがけを受け、東京電力は工事元受23社と「福島第一原発暴力団等排除対策協議会(以下「東電協議会」を設置し、その協議会を通じて下請けとの確認文章の締結の徹底や反社会的勢力企業の排除)情報共有を図ることとした。また、後者では、平成24年3月13日に環境省でも除染作業から暴力団を排除すべく「環境省除染事業等暴力団排除対策協議会」(以下「環境省協議会という)を発足させ、暴力団排除の徹底を図ろうとしているが、多重請負体質を逆手に取った暴力団のお介入が引きも切らないという大きな課題に直面している。

①平成24年度の事件
原発復旧工事で、平成23年7月以前に暴力団関係者の男性が就労していたことが、福島県警及び福島県議会政調会で明らかにされた。東電協議会の設置以降は、暴力団関係者の不法就労は確認されていないとのこと。

この恐喝事件にかかわって、平成23年5月から7月にかけて、原発原子炉建屋内外でケーブル施行工事に関してて違法覇権を行っていた。元浮が設定した作業員の日当は4~5万円なるも、末端は1万円程度しか支払われておらず、多重請負構造によって下請け各社が利益を差し引いている。「原発事故以前から原発作業は金のなる木で暴力団が群がる。」と捜査当局は指摘していたが、作業員の確保が難しい現状を逆手に、組員らを定期的に派遣し、資金源にしていた。(5月23日)

自称人材派遣業である暴力団幹部が、平成23年5月から7月の間、原発復旧工事に作業員として違法覇権を行っていた容疑で郡山署に逮捕される。また、同容疑者は平成19年から4年にわたって原発作業員の日当を不法に詐取し、その合計額は数千万に上るとのこと。これらの貸金は上部組織に納めら、暴力団の資金源として裏付けを進めている。(5月24日)

(参考文献:社会VS暴力団暴対法20年の軌跡)



被災者の戸籍が大量に乗っ取られる危険な事態になっている

「死んだはずの人間」が、よその県で次々と他市町に転入届が出されている。
最も危険なのは住民基本台帳が失われた宮城県南三陸町だが、東日本大震災で被害に死者を出した県はすべてが「要注意区域」となって、現在、警察と公安の監視下に置かれている。
何が起きているのか明白だ。誰かが「戸籍乗っ取り」をして「なりすまし」を行おうとしているのである。

原発と売春
 福島第一原発周辺の地域に根を張る「兄弟分」の依頼で、原発事故直後から、現地に作業員を送っている東日本のさる組織の幹部(54)が言う。
「事故当初は1人の日当から10万~30万、月に数千万抜けたので、かなりのシノギになった。だけど被曝線量の管理がけっこう厳しく1人あたり2カ月ちょっとしか送り込めない。1カ月ほど休ませて、また行かせるわけだけど、オレたちが労働者を送る場所はいわば“最前線”。だから、あれが『ぶらぶら病』ってやつかな、帰ってきても一日中ボーッとしていたり使い物にならなくなる」
 そこで目をつけたのが、津波などによる「行方不明者の存在」だという。「これは兄弟分が関わっている手口だが」と前置きして、この幹部が続ける。
「漁師などにも多いが、被災3県には、博打や女で借金作っている被災者がけっこういて、中には闇金から多額の借金しているのもいる。借金で首が回らず、震災のドサクサに紛れて逃げたのも多いけど、オレたちは逃げた人間を捕まえるのが商売という面もある。見つけて『型にはめる』んだ。彼らを震災の『行方不明者』や『死者』ということにしてしまうんだ」
「詳しい手口は明かせない」と慎重な口ぶりだが、「ヒントは教えよう」と言って、さらにこんな話をする。
「今回の震災では、警察の捜索記録などの書類がそろわなくても、行方不明者の死亡届が受理されるようになるなど、手続きが簡素化された。原則、死亡届は行方不明者の親族が出すことになっているけど、今回は一家全滅なんてケースがたくさんあるので第三者が死亡届を提出する『方法』はある。そして死んだことになって、いったん闇金からの借金が棒引きされ、追い込みから解放された元多重債務者を、今度は偽名で原発作業員として送り込む。確かに作業員として採用する際には、住民票や健康診断書の提出が必要だけど、あくまでこれらの書類は事前に提出するもの。実際に作業の当日、大勢の作業員が現場に集まった時にいちいち名前と本人を突き合わせるわけじゃない、と言えばわかるだろう」
 そして、現場で2カ月半、「山田太郎」として働いたら、今度は「高橋一郎」名で働いてもらうという。
「まったく同じ現場で働くこともあるから、同一人物が別名で働いていることが現場の上長にバレることもある。だけど文句を言われたことはない。ひどい人手不足なんだから暗黙の了解なんじゃないかな。働かされるヤツは放射能を浴びまくって、かわいそうだけどね」
 彼らの間ではこのような人間を“ゴースト”と呼んでいるそうで、この幹部に言わせると、その数は延べで2桁ではきかないほどはびこっているという。



「南国で働こう」と巧みに誘い
 一方、被災地の夜の盛り場では水商売の女性たちがターゲットになっている。というのも、一時「震災バブル」とまで報じられた東北一の歓楽街、仙台・国分町の状況が一変したのだ。
「ガレキ撤去などの復旧工事が本格化して、昨年の一時期、建設関係者を中心に景気が急上昇。キャバクラでは女のコが足りないほどでした。それが年明け以降、パッタリ客足がとだえ、今じゃ歩いているのは、スカウトばかりなんです」(国分町の某クラブのオーナー)
 また震災前はトップクラスの売れっ子ホステスも、生活環境は悪化し、客も減って稼ぎも激減、ここにヤクザが着目したのだという。
 被災地周辺地域に拠点を構える、別の某組織系列幹部(41)が話す。
「例えば、家も仕事もなくなったホステスに風俗で働かせて儲ける手もある。だけど客がいないから必然的に東北以外の土地の盛り場に売ることになる。今年の冬は特に寒かったから『南国リゾートで働かないか』と、沖縄や九州のキャバクラに送り込む。女のコにはおいしい話ばかりするから、みんな喜んで行くよ。沖縄あたりじゃ、色白のコが多い東北のコは珍しがられ、また、同情も買って人気だそうです。中には、そうした土地で売れたホステスを同地域の別の店に次々と“転売”し、支度金を何度もせしめる人間もいると聞くよ」
 仮設住宅を舞台に被災者を狙った詐欺事件の被害も甚大だという。その手口は模倣されやすいということで詳細は報じられていないが、地元紙記者が明かす。
「最近確認されているのが、簡単に言えば、役所の人間や弁護士、警察官を装い、仮設住宅の住民たちに“調査票”を渡し、資産や預金額などの個人情報を記入させる。そして、『預金がこんなにあると被災者向け給付金を取得しにくくなるから預金の一部をいったん我々に預けてくれ』と言って根こそぎダマし取る。複数による詐欺で、組織的な犯行の可能性も高い」
 復興への懸命の努力が続けられる被災地では、生き残りをかけた裏社会の悪質なビジネスも、ますます横行しそうな情勢なのだ。



最初に仁義に厚いところをみせて、徐々に利権に浸透していく。これが暴力団の典型的手口である。