老化と免疫  | 群馬県・桐生 仁盛堂漢方薬局の一日(中医学基礎)

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のご相談を得意としています。

 

 加齢とともに自分自身がいろいろな疾患を

経験するようになっています。

 

 「老化と免疫」について

免疫「超」入門 吉村昭彦 著を

参考に西洋医学でまとめて考えてみます。

 

 老化とは「免疫老化」によって老化細胞

の除去が追い付かない状況と考える

ことが出来る。

 

 最初に老化細胞とは

①:細胞増殖を止めて、刺激に反応しない

  状態となった細胞。

 

 細胞の老化はなぜ起きるのか

❶:細胞分裂するたびにDNAが複製され

  その時エラーによってDNAが損傷され

  起きる。

❷:染色体の末端にテロメアという特殊な

  構造があり、分裂のたびに短くなり

  テロメアが短すぎるとDNAの複製に

  問題が生じる。

❸:ミトコンドリア由来の活性酸素(酸化ストレス)

  あるいは炎症の起きた際の白血球からの

  活性酸素によってDNAが損傷する。

 

 老化細胞は免疫によって除去される

⑴:私たちの体には免疫監視機能があり

  老化細胞はキラーT細胞やナチュラル

  キラー細胞(NK細胞)に検知され、大きく

  ならないうちに排除される。

  (老化細胞にはキラー細胞、NK細胞の働きを

   抑制する)

     この殺処分機能が弱くなると、さまざまな

  臓器に老化細胞が蓄積する。

⑵:老化細胞はある種の炎症サイトカイン

  (細胞老化関連分泌形質)を分泌することが

  知られている。

 

 個体の老化と免疫の老化は互いに促進し

 あっている関係なので、老化細胞除去が

免疫老化を回復させる。免疫老化は炎症を

誘導し、老化を促進する。

 

 加齢による炎症増加する重な原因

①ヘルパーT細胞の老化と考えられている。

 老化ヘルパーT細胞は、インターロイキン6

 (IL-6)などの炎症性サイトカインを余計に

 分泌する。

 T細胞は胸腺で生まれ、胸腺は年齢と

ともに委縮 していくのも関係している。

②:加齢によりM1型マクロファージが増え

  老化細胞の除去や組織修復に

  働くM2型マクロファージが減少する。

  加齢に伴う慢性炎症による老化促進を

  「炎症老化」と呼ぶ。

  老化細胞をいかにうまく排除するか

老化細胞が発生させる炎症性サイトカイン 

の免疫抑制に研究が進められているようです。

 

 一方中医学ですが

「腎気虚衰」→「免疫力低下」→「老化」

上の流れで主に「補腎」が中心に研究されて

いるようです。

腎気の盛衰は胸腺の発育、衰退、萎縮と

相関関係があり、細胞性免疫を主宰する

胸腺の機能を包括しています。

私の持っている

中医免疫学入門・東洋学術出版社

には20余種の医薬書から老化防止で

探したところ生薬160種も集まったと

出ています。

かなり古い本なのですが加齢でサプレッサー

T細胞の減少により自己抗体が増加して、免疫疾患

を起こしやすくなっているという記述があり

ました。