癲癇(テンカン)の「癇」 | 群馬県・桐生 仁盛堂漢方薬局の一日(中医学基礎)

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今回は癲癇の「癇」について

癇病は臓腑が傷られ神機が影響を受け

元神が機能不全になる。

神機:心が主る神志、すなわち人の意識

    精神、思惟活動などの働き

元神:神明を統括する元首を指す、

    人体の精神・意識・思惟活動を

    コントロールする。

    人体の精神・意識・記憶・思惟・視覚

    聴覚・・知覚・嗅覚などは脳によって

    コントロールされるので脳を元神の府

    という。

神明:中医学では精神・意識・思惟活動を指し

   一切の機能を「心」に帰しているが

   実際は大脳の働きである。

   (ここの問題は中医学でも西洋医学でも

    はっきりしていません。)

発作前に常に眩暈(めまい)・胸苦しさ・ため息

が前兆としてある。

典型的な症状は突然昏倒・人事不省・眼球上視

よだれを吐く・手足痙攣・うなり声をあげる・

時間をおいて蘇生すると、疲れと無力の他は

常人と変わりはない。

この病の主な原因は驚きと恐れ、異常な驚き

恐れは気機の逆乱となり、

積り貯め込んだ痰に触発され、痰濁が上を

攻め心窮が閉塞され、経絡が塞がってしまい

「癇病」を発する。

臨床の時、「痰」と「気」を観察する、

その症状が甚だしいのはそれらが原因と

なっているため。

 

 発作期陽癇

治法:瀉熱滌痰熄風

処方:黄連解毒湯で定癇丸を送服する。

 

 発作期陰癇

治法:温化痰涎・健脾除湿

処方:五生飲加二陳湯

  以上は「痰」から治療するものだが

 

「気」から治療するには

 「治法」:和解肝胆・協調上下・潜陽潜風

 「処方」:四七湯加木香・天南星、

        柴胡加竜骨牡蛎湯

 これら処方の作用が状況を利用し、塞ぎ

滞った機能を伸びやかににさせ、

定癲平癇の効果がでる。

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この他に

当帰竜薈丸で清瀉肝火・化痰宁神する方法

肝腎陰虚型に大補元煎に適量の全蝎(サソリ)

蜈蚣(ムカデ)を加え経絡の流れをよくするなど

がでています。

参考図書:中医名言 実用大全

      山西科学技術出版社