ブルー・ミッチェル(tp)はハードバップのトランペッターで、中音域を使ったC.ブラウンゆずりのアドリブとライトトーンと表現される明るい音色に特徴がある。また、スローテンポのブルースをワンホーンで歌い上げるうまさは絶品で一聴の値打ちがある。さて、このレコードの発売はリヴァーサイド・レーベルから行われたが、数年してリヴァーサイドは倒産してしまった。しかし、70年代に入ってからその資産を受け継いだレコード会社があらためてブルー・ミッチェルの傑作「ブルース・ムード(Blue's Mood)」を発売した。その頃、大橋巨泉のラジオ番組で流れた2曲を聴いた。それは、I'll Close My EyesとI Wish I Knewで、両方とも明るく気持ちの良い演奏で心に残った。自分としては、この曲を聴いたからトランペットを続ける気になったと言ってもいい。アイル・クローズ・マイ・アイズはFの曲でわかりやすかったけれど、アイ・ウィッシュ・アイ・ニューはB♭楽器のトランペットとしては♯だらけのむずかしい指使いの曲で長年にわたりコピーができずに苦労している。まあ、聴いてみてよ。

Blue's Mood

Richard Blue Mitchell (tp)
Wynton Kelly (p)
Sam Jones (b)
Rpy Brooks (ds)

1960年8月24日、25日NYS録音

1 I'll Close My Eyes
2 Avars
3 Scrapple from the Apple
4 Kinda Vague
5 Sir John
6 When I Fall in Love
7 Sweet Pumpkin
8 I Wish I Knew