一般的に、中学受験生は9月以降、過去問演習に入ります。大手塾では各学校の出題傾向に特化した志望校対策講座も設けられます。入試までいよいよ半年を切り、最終仕上げの段階ですね。緊張感が高まってきます。

 

 

この時期からは、多くの受験生が自宅でも受験校の過去問を解いていくことになるでしょう。これまで以上に忙しくなりますね…。

 

そこでよく受ける質問は「受験校の過去問は何年分解けばいいですか?」というものです。そのご質問に対する私の答えは、ず~っと変わっていません。

 

過去問の傾向が、ある程度把握できれば、とりあえずOK!」ということです。目安としては「最新の過去問集に収められている問題に目を通しておけば十分」ということです。過去問集のバックナンバーまで買いそろえる必要はないと思います(とはいえ、自分の授業で扱うことはありますが…)

 

学校によっては出題傾向があまり変わらないところもあります。また、出題傾向が数年おきに変わる学校もあります。受験する学校に合わせて、出題傾向を知ることが大切ですね。

 

ところで、過去問演習をやる時期になると、「ある現象」が見られることがあります。それは「模試(※学校別模試ではなく標準的な形式の模試)の点数が取れなくなる」ということです。これはなぜでしょうか?

 

それは過去問ばかりやりすぎると、どうしても偏った勉強になりがちで、オーソドックスな問題が解けなくなることがあるからです。

 

もちろん、当面の目標は第1志望中学に合格することです。だから「模試の点数が取れなくても、受験校の問題傾向とは違うので気にしなくていい」という、やや無責任なアドバイスをする講師も少なくありません。

 

しかしながら、これを真に受けるのは危険です。

 

確かに過去問は(学校によっては)特殊な出題傾向です。模試の結果が入試結果と必ずしも一致しないこともあります。だからといって、スタンダードな問題が解けなくなったら、過去問の点数も伸びないのは自明の理です。

 

「うちの子は過去問だと解けるのですが…」と言われることがあります。親御さんからすると、模試の結果はぱっとしなくても、合格可能性を信じたい気持ちは痛いほど分かります。

 

ところが、「模試は全然点数が取れなかったのに(or 合格可能性はかぎりなく低かったのに)、過去問だけ良くできて、見事志望校合格しました!」というケースを私は知りません。もしあったならば「入試本番では奇跡にできた!」というくらい、文字通り「奇跡」なのです。

 

※過去問の点数が模試に比べて出来が良すぎる場合は、お子さんが模範解答を見ている可能性があります。

 

また、受験校は1校ではなく、それぞれ出題傾向が異なるため、特定の学校の問題しか対応できなくなるということや、出題傾向の変化に対応できないといった不都合も生じます。

 

いちばん良いのが「9月以降は受験校の過去問と模試のような標準問題をバランス良く解いておく」ということです。例えて言うなら、特殊なサプリメント(過去問演習)と普段の食事(標準的な模試)から、バランスよく栄養を摂る(学力をつける)ということですね。

 

私の感覚だとベストな配分は「過去問6・標準問題4」くらいでしょうか。人によっては過去問が7~8くらいになることもありますが…。バランス良く勉強するのは、案外難しいんです爆  笑

 

過去問を解くのは学力をつけるためというよりも、出題のクセを掴むためのものである」という意識で取り組むくらいでちょうどいいと思います。二度と同じ問題は出ないが、似たような問われ方はされるという認識です。ベースとなる基礎学力がついていないのに、過去問ばかりやっても無意味であることは言うまでもないでしょう。

 

なお、過去問対策の際には、経験豊富な指導者(塾の先生や家庭教師など)に問題分析をしてもらいましょう。「この学校はこういう問われ方をする」「この学校の出題意図は~だ」という有益なアドバイスを活かしましょう。

 

 

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