家庭教師先の移動中、時間が少しでもあれば本屋に立ち寄るのが日課となっております。何を買うという目的はなしに、目についた本を手に取るのが好きなんですよね。
著者の培った叡智をわずかな値段で知ることができると思うと、年甲斐もなくワクワクします。
そして、紙の触感とインキ(インクではなく!)の香しい匂い…。
もはやフェチの域です(笑)。
もちろん、タブレットでも本を読むことがありますが(雑誌が多いです)、いまいち「読んでる感」がしないんですよね。クリックやスワイプだとなんだか味気ないし、脳に直接的な刺激がいかないような。
やはり、令和になろうが、昭和の人間のままです(笑)。
さて、読む本のジャンルとしては、小説以外、たとえばビジネス書も好きで読みます。すでにベストセラーとなっている「MBA100の基本」は、移動中の電車内でもさらっと読めて、なかなか面白かったです。
本のレイアウトも、字がぎちぎちに詰め込まれていなくて、まさに「イマドキの本」という感じですね。
今の本は、拙著のように字が詰め詰めだと、逆に売れないそうです ビジネス書なのに妙に字が大きいですもんね(私のような老眼には優しいです)。
タイトル通り、MBAの概要を俯瞰するには最適な本だと思います。
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私は一家庭教師にすぎませんから、あまりスケールの大きなことは、現実問題としては考えられません。でも、MBAの発想を中学受験の勉強にも活かせないかと考えるわけです。
つまりは、目の前の生徒さんの学習に、ですね。
それに、最近はお父様がお子さんの受験に対して、仕事のプロジェクトのように取り組まれているケースが見られます。
言われてみれば、たしかに一大プロジェクトですよね!
何よりも優先させるべきものです。
もちろん、お父様がお子さんの受験に関与することは悪いことではなく、むしろ良いことだと私は考えます。
※ ただし、ご両親でお子様を追い込まないように注意しましょう!
そこで「MBA100の基本」の中で、中学受験にも活かせそうな項目をいくつかピックアップしてみました。
◆ 戦略と戦術
戦略とはストラテジー、戦術とはタクティックスとも呼ばれます。
戦略のように大まかな道筋を立てることと、戦術のように局所的な手段を考えることのバランス感覚が大事というわけです。
受験勉強も、志望校合格のための大まかな流れを考えた上で、そこに向かうためには何をすべきか、things to do を細かく考えていくわけですね。受験勉強の計画としての第一歩といえそうです。
ご家庭によっては1週間のタイムスケジュールをしっかりと決めているようです。これは大切なことですね。
できれば、通常パターンと連休パターンがあると良いです。
計画通りいかなくてもいいんです。
何をやるべきかを意識する(意識させる)ことが大切です。
◆ 大事なのは何をするかではなく何を捨てるか
これもMBA理論の基本ですが、受験勉強に活かせそうです。
中学受験の勉強、特に受験学年になると、「あれもしなきゃ、これもしなきゃ」と結局、どっちつかずになりがちです。どちらかというと、お子さん本人よりも親御さんに当てはまります。
まずは、やるべき項目をリストアップして、★印3段階くらいで振り分けていきましょう。
優先順位が低いものは、とりあえず、今はバッサリ切ってもいいと思います。そのくらいの思い切りが必要です。
間違っても、すべてをやり切ろうと欲張ってはいけません。
◆ 100のうち1しか伝わらない
「先週はできたじゃない。何で、またできなくなってるのよぉぉ…」
親御さんの鬼の形相、もしくは、この世の終わりのような深いため息。受験勉強アルアルですよね(笑)。
これは教える側が常に念頭に置くべき項目かもしれません。
以前指導していた生徒さんで
「入試の時に、井上先生の声がどこからか聴こえてきた…」
と言っていた子がいました(笑)。もはや幻聴の域を超えておりますが、そのくらいしつこく繰り返す必要があります。
あ、ちなみにその子は無事志望校に受かりました。
いや~、恨まれなくてよかったです(^^)
◆ PDCAを取り入れる
これまた有名なビジネスフレームなので、ご存知かもしれませんが、一応、ご説明します。
Pはプラン=計画、Dはドゥー=実行、Cはチェック=確認、Aはアクション=再度実行、ということです。物事を遂行するにあたって、基本にして大切な流れですね。
試行錯誤しながら改善していく。受験勉強でもこれを繰り返せば、学習単元の抜け落ちは激減するでしょう。
◆ 完璧を目指さない
どのビジネスプランも成功する確証などありません。
完璧に事が進むことも滅多にありません。
まずは実行してみる。
そこで少しずつ調整していく。
昔から「案ずるより産むが易し」といいます。
サントリー創業者の鳥井信治郎氏の言うように「やってみなはれ」の精神が肝要だと私も思います(やや強引な引用ですが)。
計画を立てても100パーセント計画通りにいくことなんて、まずないでしょう。「80パーセントを目指して50パーセントで上出来」という感じで良いと思います。
◆ 量は質に転化する
親御さんはお子さんに要領よく勉強することを求めすぎます。
すでに視点が「大人」なのです。
「うちの子はホントに要領が悪くて…」
あまりにも酷いやり方だとアドバイスが必要かもしれませんが、概して子どもは要領が悪いです。
御三家合格レベルの子でも、例外ではありません。そして、要領を身につけるには、学習量をある程度こなすのは不可欠です。
親御さんとしてはグッと堪える時期もあると思います。特に5年生までは。お子さん自ら開眼するのを我慢して待つのです。
禅の世界で言うところの、啐啄同時(そったくどうじ)ですね。
◆ みんなの意見は正しいことが多い
最後にこの項目を挙げたいと思います。
以前、私が敬愛するプロ家庭教師の池田先生が「情報弱者になってはいけない」とブログに書かれていました。
おっしゃる通りです。
中学受験は親御さんの情報収集は必要不可欠です。
しかしながら、情報に踊らされるのではなく、情報をうまく活用しましょう。
そして、80パーセントの親御さんが良いとお勧めするものは、大抵の場合、良いものです。
例えば、四谷大塚の「四科のまとめ」とかサピックスの「コアプラス」「言葉ナビ」など。まぁ、プロの目線だと「ここはこうした方が良いのになぁ」という改善点はありますが(「だったらお前が書けよ!」と言われそうです)
でも、総じて良書なのは異論がありません。
天邪鬼な私も、人気のあるものの価値は認めていきたいと思います。この歳でそれが分かるのは、ちょっと遅すぎましたね(笑)。生徒さんには、私と同じ轍を踏ませないようにしたいと思います。
では、また
↓本文とはまったく関係ありませんが、先日、指導の帰り道に、何の気なしにパッシャっと撮ってみました。何だかすごい感じです。私はクリスチャンではありませんが、「汝、もっと頑張りなさい。新作の原稿も早く執筆しなさいよ!」と言われているようで(笑)。ちなみに私がかつて住んでいた場所の近くの教会です。
【2019年度(2020年1月まで) スポット授業の空きコマ】
〈 2019年度 〉
◎ 9月 11日(水) 19時30分~21時30分
【2019年度 レギュラー授業の空きコマ】
→現在のところ、空きコマはございません。
事前にお問い合わせいただき、生徒カルテにご記入し、ご登録ください。
【保護者を対象とした国語勉強会 】
→平日の昼間(午前中も可)限定で行っております。
【2020年度 レギュラー授業の先行予約】
→2019年度秋以降に募集予定です。
※前後の授業の移動によってお受けできない場合がございます。
※平日朝から昼は上記以外の時間帯も空きがある場合がございます。
※横線が引かれているコマは、すでに予約済みのものです。
※上記の空きコマは講習期間を除いております。
★ お問い合わせは funkywellup@gmail.com まで。
★ 優秀な算数・理科・社会の家庭教師もご紹介します。
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