個別指導や集団授業問わず、国語講師がよく保護者の方に尋ねられることがあります。その一つが

 

「国語は今から勉強しても伸びますか?」

「国語は何回くらい授業を受ければ効果が現れますか?」

 

というものです。

 


親御さんは決して安くない(忌憚なく言えば「高い」)授業料を、塾や家庭教師などに「投資」するのですから、その元を取ろうとするのは大人の合理的発想です。

 

それ自体はなんらおかしいことではありませんよね。


とはいえ、ライザップのCMのように「塾も結果にコミットしないといけない。そうでない塾は通わせても仕方がない」と主張する親御さんがいたとするならば(はい、いましたね…)、それは、はっきり申しまして間違いです。

 

 

ライザップでクルクルと台の上を回る芸能人は「大人が仕事で本気を出して」ダイエットしているからです。

しかも、どちらかと言えば、せっぱ詰まった方が多いような…。

 

いわば「ビジネスダイエット」です。

そんな言葉があるかは知りませんが爆  笑

 

これをそのまま、中学受験の勉強に当てはめてはいけません。

 

なぜなら、中学受験生で「仕事のように」勉強に取り組んでいる子はほとんどいないからです。

 

当たり前です。一生懸命勉強しているのと、仕事のように勉強しているのとは違います。


ついでに申し上げておくと、親御さんがお子さまの授業を見学していて、あまりの要領の悪さにしびれを切らして激昂する場面にも遭遇します(ちょっと言い過ぎですかね)。

 

これも、あまり意味がありません。親子関係が悪くなるだけです。

中学受験は、お子さんの将来の選択肢の一つなのに、もったいないことです。

 

結論を先に言えば、「中学受験生はしょせんは小学生」なのです。

偏差値70以上であろうが何だろうが。

 

決して生徒さんをバカにしているわけではありませんよ。

相手はまだ12歳以下の子どもです。大人のように自己を律するなんてことは難しいわけです。

 

その小学生を「いかになだめすかして、気分を乗せていくか」が、受験指導では勝負だと言っても過言ではありません。

もちろん、熱血スパルタ指導というのもありますが、私はそういうタイプではないので…。


さて、ここから今回のブログのテーマである「国語の成績の伸び方」につながってきます。


初めに成績の伸び方に関してですが、少し誤解されている方もいらっしゃるかもしれません。

 

国語の成績は一直線に伸びることは稀です。


たいていは、以下のようにガタガタと伸びていきます。

 

 

下手くそなグラフですみません笑い泣き

ホントは実際のサピックス成績表とか「バーン!」と見せたいところですが、そこは個人情報なので…。

 

これは、読解法が安定して使えるようになるためには、少し時間がかかるということを表しています。

 

我流で解いていた子が読解法(私が「鉄則」と呼ぶもの)を意識しだした頃は、むしろ成績が一時的に下がることすらあります。

 

「なんだよぉ。先生に習ったやり方で解いたら、成績下がったじゃんかよ~」

 

と面と向かって文句を言われたことはありませんが、内心は思った子もいたかもしれませんねウインク

 

ただし、読解法をマスターすれば、直近のテストの平均値をとると確実に上昇していきます


続いて、成績の伸び方をタイプ別に3つほど挙げましょう。

□ 授業後、すぐに伸びる子
このタイプは何の問題もありません

成績が上がって親御さんも一安心ですし、なによりお子さんのモチベーションが急上昇します。

指導者としても理想の形ですが、残念ながらそれほど多くはありません。


□ 授業後、3ヶ月以内に伸びる子
私が教えていてもっとも多いのが、こちらのタイプです。

まだ安定はしないものの、本人なりの手応えを感じ初め授業で教わったことを実践しようとしてくれます

親御さんの精神状態も十分に耐えられる範囲でしょう。


□ 授業後、1年経って伸びる子
問題なのはこちらのタイプですね。

 

6年で個別指導塾に通い始めた子は、それまでに大手集団塾に通っていたりすると、まずはじめに、間違った解き方を忘れさせなければならない場合があります。

うわ~、回りくどい言い方ですね!

 

私はこれを「解毒」と呼んでおります(すべての読解法が間違っているかどうかは、お通いの塾、いや、講師次第です)。

 

これが思いの外、時間がかかります

 

「解毒」後、新しい「お薬」を処方するのですが、なかなか飲んでくれない子もいます。

子どもとしてみれば、いまさらやり方を変えるのが、めんどくさいんですね。私からすると「やり方」とも呼べないのですが。

 

そんなこんなで、子どもたちと格闘を繰り返し、「完治」するのに1年近くかかるというわけです。

 

6年生初めからの1年後と言えば、入試直前期です。

この時期まで辛抱できる親御さんは、ある意味では、「相当忍耐強い」わけで、脱帽します。

 

ところが、我慢できずに、転塾を繰り返す人もいます。

「青い鳥」が他にいると思いながら。迷走するだけなのに。

 

中学受験終了後に、

 

「先生、あのとき、辛抱してよかったです。実は心が折れそうでした。国語はもう諦めようかと・・・」

 

ある保護者の方のセリフです。

実はこれ、「あるある」です照れ

 

私もホントなら早い段階で結果を出したいとは思っているのですが…。現実は塾の宣伝文句のようにはいかないこともあるのです。

ただし、正しいやり方を続ければ、必ず結果は出ます

国語の成績は一朝一夕に伸びないことがあります(他教科以上に)。

少しずつ力は付いてきているのに、テストでは上手く発揮されないこともあります。

 

テストの成績自体は白か黒か(要するに、良いか悪いか)しかないのですが、親御さんはその過程も冷静に見極めたいものです。

 

 

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