幾度も糸を編む | 僕が誰を好きになろうと

僕が誰を好きになろうと

詩、ミニストーリー、(イラスト)←希望。

独りぼっちで生きる人へ。

僕が日本人で良かったと思うのは、年が終わる寸前に魔法にかかる事


さぁ自分を終わらせようと、

幕を降ろす紐を掴む

すると必ず、

魔法使いが話しかけてくる

「ほんのちょっと会っていけば?」

「来年の自分にさ」

ふむ、この誘惑断われず

紐を離してしまう


でも365日後、

この話の冒頭に毎年戻ってる自分


もう44回目だ

騙されなくていいって

よく頑張ってきた

もう楽になれ

僕だけはお前をずっと見てた

いい人間だった

でももう、いいんだ、と

頭、撫でてやりたい


僕は僕に話しかけている

つまりこの日、

僕は2人世に存在している事になる


怪奇現象、ドッペルゲンガー、病

どれにも当てはまらない

だって、誰にも言ってない

だって、誰にも聞いてない

答えが正解でも、

響かなくちゃ却下する


これは結構深い深層心理


その人がどう言ったとしても、

決定権があるのは僕だけだから

僕の身体も心も、

幸か不幸かの判断もね


自由すぎると生きづらくなるって、今眠っている人々にそれ言える?


関係ない間柄じゃないし、

よく似た容姿なんだろうし


その人々は何も言わない

それでも伝わってくる

涙したなら、そういう事なんだ


此処は日本で、僕は日本人

幕は降ろしにくい

魔法使いはこの日大忙しで、

僕はその仕事っぷりを睨む

日本が1番好きらしい


「何で?」


「そりゃ素直に魔法にかかってくれるから」

天使級の笑顔で、

そう答えになりましたよ


何か腹立つんだわ、毎年さ


来年、世界は僕に優しいのかな?

って、すぐ首を横に振るな

だから、僕と同じ事をするな

少しは考えてよ

毎日毎日、

地面に足が着いてない

浮いちゃってる感じ

迷いながら歩くってこんなにも不安

踏みしめたいんだ

自分の道を

むしろ転んで傷が欲しいね


でも、

聞いたところで

君は僕じゃないんだよなぁ


魔法使いは何かに驚いた顔をして、消えてった

次から次へ忙しいんだろう


31日の朝は嫌い

31日の夜は嫌いじゃない

31日のあの感じは、

満月に架かる黒い雲がゆっくり流れゆくのを待ってるみたい


「ただ日にちが変わるだけじゃない」


「当たり前な事言わないでよ、あなた」

曇った窓に呟いてみた


14日後、僕は紐に絡まってハサミを使わず解くのだろう