ベルギーのフィリップ先生の工房には、いろいろな人が訪ねてきます。

そんな時は先生が手料理をみんなにふるまってくれます。

スリランカで教えていたこともあるそうで、スパイシーなスリランカ料理を食べました。

食べながら話を聞いていて、工房に飾ってある沢山の女性の写真は皆元カノだと分かりました。

先生はゲイかな、と思っていた私はとても驚きました。

ある時、元生徒だった若い女性が来て、「パーティに誘われたけれど、着ていくドレスがない」と嘆いていました。

何事にも器用な先生は、部屋のカーテンであっと言う間に、素敵なドレスを作りました。シンデレラのワンシーンのように。

またある日、太ったおじさんがやって来ました。ブラジルから来たと言っていました。

フィリップ先生は子供のように目を輝かせながら、私をおじさんの前に座らせて、よく見ててと、彼の大きなおなかを指さしました。

おじさんはシャツをめくりました。腹巻が見えました。おなかと腹巻の間に小さな紙の袋がたくさん入っていました。

彼はその一つを取り出して、袋を開けて、中を見せてくれました。アクアマリンです。海の水を固めたような透明な青がキラキラ輝いていました。腹巻の中には宝石のルースがぎっちり詰まっていました。

「これが一番安全だから」と彼はウインクしました。