まだ四歳の彼女は親の都合で、突然海外へ連れてこられました。

「みんな目にガラスが入っている。ロボットの国だ」と青い目の外国人を見ては泣いていました。

ヨーロッパの夏は日が長く、夜,彼女が寝る時間は外は昼のように明るかったのです。

「夜のない国に来ちゃった」とまた泣いています。

夏休みが長いので、幼稚園が始まるころには何とか馴染んでくれるといいなあと思っていました。

夏時間が終わり、日が少し短くなってきたある夜のこと、何か彼女が叫んでいます。

部屋に行ってみると、「月だよ!ここにも月があったよ」窓から空を見上げていました。久しぶりに見る満面の笑顔です。

「良かった~」安心したようでした。一つの空の下、日本とつながっているように感じたのかなと思った時、彼女は言いました。「月はいくつあるのかな?」

今では彼女は母となり、自分によく似た女の子を育てています。