第三試合
MARU&入江彩乃-vs-才原茉莉乃&天職ゆい
第三試合は才原&天職-vs-MARU&入江というどちらも珍しい組み合わせ。
とりわけMARUと入江はユニットのボス同士でもあるから、つい少し前のユニット全盛時代だったらこういう並びはまずなかっただろうし。
しかし入江をおとりにMARUが場外から仕掛けてきたので不意を突かれた才原と天職。
セコンドの様子がおかしかったので気づくことができたが。
相手が誰でもMARUは自分のペースを崩さず、確実に引っ掻き回す。
昔のレスラーだとデストロイヤーとかがそんなタイプだったか、小さくても敵に回すとこれほど厄介な相手はいない。
特に天職ゆいはMARUと初対決。
体格とパワーで勝る天職だが、MARUに対しては体格差もあまり意味をなさない。
力ずくでボディスラムを投げ返そうとしたが、MARUは前方回転エビ固めに切り返した。
天職はああいう切り返しはされたことがないはずだ。
コーナーに登った天職だが、突き飛ばされるとMARUはストレッチマフラーに。
過去にもこういう手はあったが、天職からすれば全く予想してない方向からの攻めなので防ぎようがない。
天職はひとつ返して才原に繋ぐ。
MARUは素早いが才原は上手くカウンターの払い腰で投げ飛ばした。
柔道の流れならさすがにMARUでも簡単には逃れられないはず。
こうした寝技は有効だとは思うのだが。
しかし流れはそう簡単には変えられず。
才原はMARUスピンクラッシュを初めて受けたか?
今度は正調なストレッチマフラーに。
天職のカットが間に合ったが、それがなければ逃げるのはまず困難。
MARUがガンガン切り込んでいくので入江としたらかなり楽に試合展開を作れる。
逆に才原にしてみれば一度こう悪い流れにハマってしまうとなかなか厳しい。
強烈なビッグブーツを受けて吹っ飛ぶ才原!
そこへMARUが飛び込んでくる。
流れに全くソツがない。
だが才原もテールクラッチからチキンウイングフェイスロックへ。
MARUがカットに来たが、今度はストレッチボムへ。
才原からようやく天職に繋いだが
天職は入江のビッグブーツに苦戦する。
天職は背が高いから頭はあまり攻撃されることが少なかったはず。
だからビッグブーツを受け続けるのは危険。
腹を叩いて危機を回避する。
こうした咄嗟の判断はいいのだが。
リバースゴリー狙いは頭を蹴られて防がれてしまった。
天職は自分と近いレベルの相手ならば体格とパワーで押していけるが
MARUや入江のようなベテランクラス相手になるとさすがにそううまく事を運ばせてくれない。
どうにかリバースゴリーは決めたものの、技が単発しか決まらない。
それどころか入江が河津落としに捕らえようとした時にヨロヨロとふらついてしまった。
こうしたバランスがしっかり取れてないとこを見る限り、どうも今日の天職は仕上がりが良くない。
必殺の天鵞絨ドライバーも高さが不十分だし、せっかくの必殺技なのだからこんな急場しのぎに使う技じゃない。
才原が来てようやく反撃し始めたが。
しかし流れを大きく変えるまでには至らず、入江の極楽固めに天職は一度タップしたように見えたが、その前に才原のカットが間に合った。
しかし才原もMARUによって分断されると。
しかしスタミナを使い果たしていた天職は後ろから前からのビッグブーツ連発に沈んでしまった。
たぶん本人がわかってるだろうからあえて声はかけなかったけど、厳しい言い方をすれば今日の天職は最近見た中では正直赤点の仕上がりだったと言わざるを得ない。
試合の組み立て、スタミナ、バランス等問題点を細かく上げてしまえばきりがない。
だが、何か足りないというのは才原も入江も広い意味ではたぶん同じだろうし、MARUは若い頃いつも試合の反省を相談しに来ていた。
私も含め課題は誰にでもある。
今はヒールやベビーに関わらず全体の底上げが全体の課題。
特に天職は普通の人以上に期待されてる存在だからこそ、周りがみんなでいい方向に育てていかないと。