POP選手権試合
<王者>安納サオリ vs 尾崎妹加<挑戦者>

昨年大晦日のアイスリボン後楽園での対戦がきっかけで決まった対戦。
しかし大晦日よりはるか前からこの二人の因縁は続いている。


尾崎妹加のことを知らない最近のアクトレスガールズやファンのために改めて説明するが、尾崎妹加も元はサオリやなつみと同じアクトレスガールズの初期旗揚げメンバーである。
プレ旗揚げ戦や旗揚げ戦のメインを飾ったのも彼女である。

旗揚げ当時は妹加と今は人気声優になっている相羽あいな(播磨佑紀)とのコンビturtleZと、サオリと当時エースだったまなせゆうなのコンビMArZとの抗争は初期アクトレスガールズの看板カードだった。
そして旗揚げ戦でサオリは妹加のトーチャーラック(アルゼンチンバックブリーカー)によってレフェリーストップ負けをつけられた。これが安納サオリの初の敗北だった。

まだできる!!
まだできるよ!!
必死にレフェリーに食い下がった姿は今でも鮮明に覚えているし
あの時負けた悔しさがあったからこそ
絶対不屈彼女というものが生まれた。

後にタッグ戦ではリベンジしたが、妹加から取ったのはサオリではなくゆうなであり、それ以後二人はシングルを戦うことなく第一期アクトレスメンバーの大量離脱によって妹加も退団し、最近になってアイスリボンとの抗争が始まるまで二年間接点がなかった。

妹加がアイス所属の選手であれば団体対抗戦ともなるが、妹加はアイスを主戦場にするフリーであり所属ではない。
なのでこれは以前からのリベンジの続きである。


元パワーリフティング王者である妹加に力比べで挑むのは賢くない。
サオリは脇固めで腕を破壊しにいったが、罠の誘いに乗ってエプロン際でボディスラムを叩きつけられ腰を強打。
最初から大ピンチに。


最初のトーチャーラックはスリーパーでしのいだが、ここでの負けはアクトレスガールズ全体の敗北にも繋がるので絶対に負けられない。
サオリをサポートするためメンバー全員一丸でサオリを後押しする。


だが、かつてなら決まったトーチャーラックやフィッシャーマンズスープレックスも今は通用しなくなっている。
そのためお互いに大技を駆使した総力戦。
しかしサオリのジャーマン連発でもカウント3を奪えない。
とっくに二人とも限界点を越えていたが、


最後は延髄蹴りからドラゴンスープレックスに繋いだサオリが辛くも勝利し、三度めの防衛に成功。
因縁を精算して抱き合う二人。
このままハッピーエンドにいくかと思ったが。


後から入ってきたなつみの様子がおかしい。
サオリだけでなく堀田まで呼び込まれ、下にいた角田が泣き叫ぶ。
まさかこの時期に退団かと嫌な空気がよぎったが。


実はサオリのバースデーを祝うための巧妙なウソ(笑)。
バカバカぁ~!! 心配したんだから。
あまりの巧妙さに私たちまで騙された。
なつみもさすがだったが、なおちゃんの演技も助演女優賞もの。

しかしこのメインは堀田祐美子が今まで見たアクトレスの試合で一番と評したほど素晴らしいものだった。
試合後サオリの方は売店の対応が忙しく話せなかったが、尾崎妹加とは二年ぶりに再会した。
この間一度も会うことなくアイスの試合も見たことなかったので、アクトレスガールズの尾崎妹加しか知らなかったが、イメージはそう大きく変わっていなかった。
私の知る尾崎妹加がそこにいた。

私は思った、おそらくこの試合ゆうなやあいなの方が私より見たがってたのではないかと。
そしたら妹加も絶対そうだろうねと。


勝ったサオリも立派だったが、妹加もまた立派だった。
戦ったことでまた新たな道が開けたと思う。
尾崎妹加よ、アクトレスのリングにまた来てほしい。
今度は本間多恵と角田奈穂があなたとやりたがっているはずだ。
まだシングルやってないからね。