堀田祐美子 vs 五十嵐乃愛
このカードを知った時に、え、これやっちゃうのとびっくりした人は多いはず。
どちらかというとコミカル組にカテゴライズされる乃愛。
体力のなさや練習環境の不便さもあって多少同期から差はついてしまっているが、状況が状況なため多少のことは目をつむっていた。
ところが相手が堀田祐美子となるとそういうわけにもいかない。
なんせ自力勝利もまだの新人と頂点の赤いベルトをも巻いたレジェンド。勝負論で語れる相手ではない。
となると勝ち負けよりもいかにどう戦うかだが、常日頃からリングの上で戦う気持ちを忘れるなと言っている堀田と戦うだけに乃愛がどう出てくるかが注目されたが。
リングに上がった乃愛の表情にいつもの笑顔がない。
ということはコミカルを捨てて真面目に戦うと言ったようなものであるが、あまりに緊張しすぎでガチガチである。
とにかく作戦なども建てようがないので先制攻撃しかないが、後ろから殴っていてもびくともしない。
果敢に攻めこもうにしてもローキック一発で問題してしまう乃愛。
あれでも30%ぐらいの力しか出してないらしいが、痛すぎて立ち上がれない。
まあ乃愛は以前にもてるりんにこっぴどいやられ方をして試練というのは味わってはいるが、相手が堀田となるとまず技云々以前に体格が違いすぎる。このためまず投げ技とかは通じない。
となればもともと技が少ないのにやれる技など限られてしまう。
確認できた限り出た技はフットスタンプかセントーンかぐらいしかなく、あとは殴るしか手がないので自ずと手詰まりになってしまう。
しかしやりにくいのは堀田とて同じことで、テニスや卓球でも初心者の球の方が打ちにくい。
乃愛のレベルを相手にして試合を成立させつつ何かを気づかせるというのは言うに容易くやるに難しく。
手数がない乃愛では反撃するにも技がない経験がないので、受けタイプの堀田が珍しく自分から攻めにいく。
それに対して逆さ押さえ込みすらやらせてもらえない乃愛。
結局なにも見せ場を残せないままサッカーボールキックを受けてカウント3を聞いた。
実際のところ堀田もこのカードを最初に聞かされた時の反応は同じで、乃愛が同期に遅れてるような立場もしっかり承知している。
今の段階で戦ってもまず勝負として成立しにくいと。
しかし最初のローキック一発にしてもあれだけで終わらせることもできるが、あえてそれをしないレベルにするのもまたプロの仕事なんだよと。
堀田さんから聞いた話では緊張してぷるぷる震えてたのがわかったという。
むしろこの試合をやったことより、やってどう変わるか(変わったか)の方が鍵とも言える。
サオリやなつみは劇的にいい方に変わったが、本間多恵や仁科鋭美のように試合が予期しない方向に行った例もあるし、乃愛のように全くできなかった清水の例もある。
高瀬に至っては苦し紛れに出したヘッドバットが今や自分の持ち技になった。
正直このブログを書いていても乃愛にどうだったと聞いてみたいという気持ちはあるが、少なくともやるまでは相当怖かったはず。
怖さのイメージが膨らんでガチガチになるまでに。
ただそれに逃げずに自分と向き合って打ち勝ったことが今回の収穫と言える。
堀田さんも気持ちがちょっと見えてきたと評価はいい方向に向かっているし、あとは焦らずこまめに力をつけて変わっていくことだと思う。何事も。














