知財高判平成29年(行ケ)第10200号

「回転数適応型の動吸振器を備えた力伝達装置」事件<鶴岡裁判長>

 

(機械分野の発明について、)
 クレームされた発明の一部は明細書に課題解決できるように記載あるが、発明に含まれる任意の「次数オフセットqF」をとった場合も当業者が課題解決できるとは認識できるようには記載されていないとして、サポート要件×と判断しました。

 

 ⇒本判決と同様に、クレーム中に課題を解決できない構成も含まれていることを理由にサポート要件×として裁判例として、例えば、


平成30年(行ケ)第10073号「インクカートリッジICチップ」事件<森裁判長>


等があります。

 

⇒発明の要旨認定を限定的・合目的的に行って、サポート要件〇とした裁判例としては、例えば、


平成30年(行ケ)第10041号「地殻様組成体の製造方法」事件<鶴岡裁判長>、

 

東京地裁平成29年(ワ)第18184号「骨切術用開大器」事件<佐藤裁判長>、

 

等があります。

 

 これらの裁判例を統一的に理解するならば、発明の要旨認定を限定的・合目的的に行って、サポートされていない部分が発明に含まれないと言えるか否かは重要な分岐点となります。

 

中村合同特許法律事務所

弁護士・弁理士・米国カリフォルニア州弁護士  

高石秀樹

 

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