(2年前の裁判例ですが、重要なので掲載します。)
知財高判平成28年(行ケ)第10079号
「タイヤ」事件<高部裁判長>
本願発明と引用発明との具体的課題が異なる事案において、本願発明の具体的な課題を示唆されることなく,当該数値に着目することは容易でないとして、進歩性〇と判断しました。
*審査基準には、主引例と副引例との課題の異同が、組合せの動機付けに影響することが説明されています。
近時の裁判例では、これに加えて、本願発明と引用発明との課題との異同も考慮されています。
発明を”構成”と捉えると不可思議な気がしますが、近時の裁判所は発明を”技術思想”(=課題及び課題解決原理)と捉えているため、このような論理付けになると理解できます。
(同旨の裁判例)
・ 知財高判平成20.12.25 平成20年(行ケ)第10130号「レーダ」事件
・知財高判平成21.1.28 平成20年(行ケ)第10096号「回路用接続部材」事件
・知財高判平成22.5.27 平成21年(行ケ)第10361号「耐油汚れの評価方法」事件
・知財高判平成23.11.30 平成23年(行ケ)10018「うっ血性心不全の治療へのカルバゾール化合物の利用」事件
・知財高判平成25.3.21 平成24年(行ケ)第10262号「ガラス溶融物を形成する方法」事件
・知財高判成25.3.6 平成24年(行ケ)第10278号「換気扇フィルター及びその製造方法」事件
・知財高判成25.4.10 平成24年(行ケ)第10328号「臭気中和化および液体吸収性廃棄物袋」事件
・知財高判平成26.7.17 平成25年(行ケ)第10242号「照明装置」事件
・知財高判平成27.12.10 平成27年(行ケ)第10059号「農産物の選別装置」事件
・知財高判平成28.11.16 平成28年(行ケ)第10079号「タイヤ」事件
・知財高判平成29.2.7 平成28年(行ケ)第10068号「空気入りタイヤ」事件、
その他、裁判例多数
弁護士・弁理士・米国カリフォルニア州弁護士
高石秀樹
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