三崎にあるカフェ、MPことミサキプレッソの1周年記念イベント「ニュー・ミサキパラダイス」は、なんというかすごいイベントでした。

何がすごいかと言うと、まずは出演者の方々。かもめ児童合唱団朝本千可さん、久保田洋司さん、breathmarkこと二羽高次さん、そして清水靖晃さんまで。伊藤銀次さんと僕のuncle-jamは本編のオープニングとエンディングという大事な場面を担当させて頂きました。みなさんがどんな実績をお持ちのアーティストであるかはここではとても書ききれませんが、港町の小さな商店街の駐車場に、こんな人たちが一度に集まる事はまずあり得ないでしょう。

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当初は地元の郷土史を語ってくれるはずだった、三浦市立病院の内科医、来田先生のお話も聞くことが出来ました。昨年MPを通して知り合った来田先生は、パキスタン大地震の際「国境なき医師団」にも参加して活動した経験のある方で、今回の震災の災害医療要員として宮城県の気仙沼にヘリコプターで飛び、現地の救助活動から戻ってきたばかり。
昨年の夏休みに訪ねた気仙沼が三浦と非常に良く似た街であることに親近感を強く感じていたので、いてもたってもいられなかったそうです。
ボランティアや支援物資を始め、僕たちの考える「善意」が、時には反対に現地の負担になってしまうこともあるという実情や、その気持ちをきちんとコントロールして現場に反映するためのシステムが足りない事、必要な支援は時間や地域によって常に変化している事など、いろいろな話を聞く事が出来ました。
テレビやwebから流れる情報に右往左往していたので、実際に現地の状況を知る人から話を聞く事が出来て良かったです。自分も含め、何か出来る事はないかと考えて焦ったり悩んだりしてしまう人が沢山いると思いますが、先生が最後に言った僕たちに今出来る事、それは「普段の生活の中で、思いやり持つこと」。
その言葉を聞いて、なんだか少し安心しました。
今は自粛ムードも多々あり、イベントをやる事自体の賛否もある状況ですが、「思いやり」を忘れなければ、それはきっとやる意味のある事なんじゃないか、という気持ちになりました。
災害医療の現場を良く知る先生は、実際に被災地にいない僕のような人間までもがかかってしまうかも知れない「こころの病気」の予防接種をしてくれたのかもしれません。

uncle-jamが最後の演奏を始めた頃には、もう日が落ちてかなり冷え込みも厳しく、照明の全くない駐車場は暗くて目の前のお客さんの顔も見えない状態。来田先生がiPadを椅子に置いて譜面台の明かりを確保してくれるという、デジタルなのかアナログなのかよくわからない状態になりましたが、寒さと暗さを共有してくれたみなさんに心から感謝しています。貴重な経験をする事が出来ました。

手書きのPOPに興味津々のかもめたち
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今日の新聞の地方欄には、来田先生の記事が。
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そして打ち上げでの貴重な一枚、どこからか出現したプレートでたこ焼きを焼く銀次さん。「これがホントの『銀だこ』だな!」というオヤジギャグが出た事は内緒です。
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