俺のお気に入りのドライブコースのひとつに札幌→夕張→三笠→芦別→美瑛→富良野コースがある。
俺のクルマは重い3ナンバー4WDのターボ車なのでガソリンの消費率が高く、ガソリンの値段が高騰した今年は以前ほど頻繁に札幌市街へドライブに出掛ける比率も少なくなった。(これは余談だった。)
さて、3年ほど前に芦別から三笠に戻るルートを散策して居たところ、国道沿い(三笠の化石博物館向かい近辺)に一見して飲食店のそれとわかる妙な看板を発見した。
看板としては何の変哲もない普通のドミニカ料理店の手書き看板だが、問題はその看板の立っている場所のロケーションにある。
国道から森林に向かう道幅の広い林道の入り口にその看板は有って、それまでの人生経緯からの俺の概念の中で飲食店が存在するようなロケーションとは思えなかったのだ。
そんな風に、とても気になる看板を幾度と無くドライブで見掛けた二年前の或る日…
そこを通り掛った時にたまたま空腹だった事もあって、助手席の妻が『ここにしようか?』と提案したのでとりあえず看板の→に従ってゆっくりと飲食店の気配のない林道に侵入した。
『………。』
『……ん?』
『………!?』
『あ…これだね。』
(※写真は先日訪れた際に撮影した物で、発見当時の物ではない。)
しかしこの看板の→の指し示す10m先には…
同じ様な看板が、ちなみに『ドミニカすぐそこ』と書いてある。
書いてあるがここからではドミニカすぐそこと書かれた看板の他に、ドミニカの気配や建造物はおろかドミニカへ向かう為に必ず存在するであろうはずの道すら見当たらない。
とにかく向こうに見える看板に近付いてみると、車が一台やっと通れる様な細い道が…
『本当にこの道の向こうに在るのかねぇ…ドミニカが…』と頭の中で思って居ると…
ありました。
Pa.Mi.Casa(Pa=~へ、Mi=私の、Casa=家)
つまり『私の家へ…』と言う名のドミニカ料理店。
しかも既に先客の車が何台か停まっている。
見た事も聴いた事もないドミニカ料理に思いを馳せながら店に入ってみると、小柄なドミニカ人のオーナーシェフが優しい笑顔と流暢な日本語で迎えてくれるの。
恐らくドミニカの物と思われる民族音楽が流れる店内は確かに異国の雰囲気。
ドミニカ料理というものを初めて食べて見た。
鶏肉をトマトベースの独特なスープ(ペースト状)で煮込んだものがライスに掛かった物と爽やかな酸味の効いたドレッシングが程よく添えられた野菜サラダ・バナナを揚げたもの・豆のスープがセットになったものです。
味は…日本の基本的な食事から連想されるような単純な味ではありませんが、俺個人としては美味いと感じたし、家族も『なかなか美味いね。』と絶賛してた。
店の看板にドミニカ料理とコーヒーの店と有るのでブレンドコーヒーを頼んで見たが…
食事をした場合 ¥200で美味しいコーヒー
家の家族全員の意見として世界一美味いコーヒーとされている福岡県にあるその名もさくら坂というコーヒー屋が有るのだけれど、そこの次に美味いコーヒーだと思った。
北海道の三笠でこの感じのコーヒーに出会えるとは予想して居なかった。
色んな意味で変な(…というか凄い)店なのだ。