マジすか学園GX☆#4ー4☆
「てっきり、あの手紙は、サド先輩が書いてくれてたんだと思ってました。それが、まさか、大島優子...、あっ、優子先輩が書いたものだったなんて」
マジすか女学園の制服を着た向井地ミオンが、
上下グレーのパンツスーツに身を包んだサドと、小さな喫茶店のテーブルで、向かい合っていた。あの手紙とは、かつて、毎日、ミオンの下足箱に、入れられていた、彼女へのアドバイスがしたためられた手紙のことだった。
「優子さんは、あの頃、どこかで、お前を認めていた。お前ほど学園を好きなやつもいなかったしな。かなり、荒削りではあったが、喧嘩の腕前のほうも、何か光るモノがあった。だから、もっと、もっと、お前に、成長して欲しかったんだろう」
「そうだったんですね...、それなのに、自分は...、毎日毎日、タイマンだ、タイマンだ、って...。ほんと、バカだ...」
悔しさと情けなさが入り混じった表情を見て、サドの表情もゆるむ。
「それと...、あのときは、すまなかったな...、お前に、嘘のタイマン場所を教えてしまった...」
「ああ...、そのことは、ブラックさんたちから、全部聞きました。でも、それは、何よりも、優子さんのためだった...。そうですよね」
日に日に病魔に蝕まれていく優子の病状を心配した、サドなりの配慮だった。それが、かえって、裏目に出てしまい、ミオンは、停学になってしまったのだが。
「サドさん...、あれから─、あの事件があってから...、わたしは、こう、思うようになったんです。やっぱり、階段は、一足飛びに“てっぺん”まで、辿り着こうとしちゃいけないんだなぁって...」
「向井地...」
「自分は、何ひとつ見えてなくて、無理に階段跳びあがろうとして、足を踏み外してしまったんです...、自分には、そんな都合の良い翼なんか...持ってなかったのに...。でも、もう、わたしに、翼は、必要ないんです!これからは、一歩ずつ...一歩ずつ...、階段をのぼっていきたいと思います。そして、いつかは...」
「そうか...。わかったよ。これからは、自暴自棄(ヤケ)になったりせず、自分を大切にな。そして、これからの『マジ女』のために、しっかり、頑張ってくれ」
「はい!
あーっ!もう行かないと!今日は、復学初日だから、早く来いって、校長から言われてたんだった!それじゃ、サドさん!ごちそうさまです!」
慌ただしいな、と笑みを浮かべながら、サドは、
コーヒーカップを、口へ運ぶ。
「翼は、いらない...か」
大きなガラス窓の外を見上げると、青く広い空に、一羽のツバメが、孤を描いて飛び去っていった。
「もともと、誰にだって、翼は、あるんだ。いつか、お前にも、大きな翼を広げ、大空を羽ばたく日が、きっと、来るだろう...、でも...、そのときには...もう...」
(優子さん...)










