
「おふうさま」諸田玲子 淡交社
加賀前田家利常公四女・富姫(おふうさま)
徳川家(武家政権)への嫌悪を持つ朝廷、公家と良好な関係を築くために八条宮家へ嫁ぐことになった富姫の生涯とそれを支え続けた侍女•小蝶の物語
夫となる八条宮智忠親王の八条宮家は桂離宮(作中では桂別業)を造営したことでも有名な宮家
武家政権を嫌悪しつつもその財力を頼みとしなければ暮らしを保てない宮家
大名家から嫁ぎ、妃となった富姫の置かれている環境は厳しい
加賀前田家を快く思わない公家たちによる富姫を陥れようとする陰謀を前田家を支える面々と力を合わせてあの手この手で乗り越える日々
八条宮邸で暮らす富姫を近くで支えたのは加賀前田藩江戸屋敷より同行した侍女たち
中でも、江戸屋敷で富姫様付の侍女より白羽の矢を立てられ京へと同行した小蝶は、富姫の誰にもいえない心の内を吐露出来る存在となっていく
蒲柳の質の智忠親王とは日中の交流はあるものの、お渡りは無く夫婦とは言えない生活が続く
息苦しい生活の中で富姫は恋を知る
男女の色恋には長けていた小蝶に恋心を打ち明ける富姫
秘めた恋を成就させようと奔走する小蝶、富姫の恋は成就出来るのか…
戦国の世も終わったとは言え、大名家の姫として生まれれば
両家の安泰のために生涯をかけてその使命を全うせねばならない
嫁ぎ先によっては、幼くして嫁ぎ生きて故郷に戻ることすら出来ない
大名家や公家の姫様の望む幸せって細やかなものだったのかもしれない
