「べっぴんじごく」岩井志麻子 読了 | pyonpyon ブログ

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「べっぴんじごく」岩井志麻子 
    2025年7月発行  角川ホラー文庫

初版は2006年3月 新潮社
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その後、2008年8月に文庫化
装丁はこちら


こうやって比べると、新潮文庫の装丁↑コレ
は、小夜子かな〜とか

初版の装丁は、シヲなのかな〜などと思いは膨らみます

2025年版は、全員登場ってことですかね(笑)

岩井志麻子作品は「ぼっけえきょうてい」以来だったか?もう1作くらい読んだか?ですが
こういう空気感の話を書く作家だと承知していたので面白く読めました

角川ホラー文庫からの発行ですが怪談話ではないです
不気味な空気を纏いながら、代々繋がって行く宿業ともいえる淫蕩な血を抱え明治から平成を生きた女達による物語


明治時代、岡山の寒村に流れ着いた母娘の乞食

民族風習が色濃く残っている土地に流れ着いた母娘の乞食
この乞食の娘のシヲが村の分限者(名士、金持ち)の気の狂れた娘の遊び相手をしていた事から始まっていく

乞食の娘シヲはシラミだらけの頭、垢じみた顔でボロをまとっていたが分限者の家に入る事になりの体を綺麗にすると美しい少女だった

その後は、美少女と醜女(牛蛙と呼ばれるような)が交代で産まれる
そしてシヲ以外は男運に恵まれない(本人のせいもあるけど)
脈々と続く因果なのか、面白い設定です

代々、霊を感じる能力も受け継いでいくが、それは声が聞こえたり、赤い襦袢の裾がチラリと見えたり、昔からずっとついて居る足だけの男だったりで本人達もそれが見える事や感じる事を受け入れている程度の怪異なので

ホラー小説と思って読むと期待外れかも

ずっと不明だった乞食の母娘のその前(母親が娘を産む前)の話や足だけの男が何なのか?どういう流れで母娘の乞食はこの寒村に流れ着いたのか?などの話は途中に差し込まれます

岩井志麻子の作品らしく、岡山の方言で語られる風習は興味深い

土地の風習で家の玄関脇に板を立てかけたものがあり「乞食隠れ」と呼ひ、食べ物などの施しを受ける場所
また玄関から少し入った所に「乞食柱」と呼ばれる柱を置く家もあり
そこまでは入れるがそこから先へは踏み出さないのが乞食の慎み、嗜み
そこが民との結界となる
「乞食隠れ」の板は「座頭さぐり」とも呼ばれ盲目の琵琶法師はそこにもたれて琵琶を弾き、施しを受ける

最下層の者が差別される生活から抜け出せない状況や「村八分」より悪い「村十分」という存在などの描写は上手く、その状況がよくわかる


レビューでは代々の名前を載せている人もいるのだけど、詳しく書くと面白みに欠ける(誰がどうなるかとか)ので書かないよー!😝