
「落としの佐平次」 松下隆一
角川春樹事務所
4月に読了していました😝
次から次へと図書館にリクエストした本の順番がしてしまい、2ヶ月近く過ぎてしまった
昨年から気に入っている「羅生門に啼く」「侠 きゃん」「ゲンさんとソウさん」の作者です
主人公、佐々木清四郎
十八歳の定町廻り同心で急死した父の後を継いだばかりのひよっこ
上役に呼ばれ、元御家人で現在は町人となった佐平次の預かりとなることを命じられる
佐平次は、優秀な廻り方で清四郎の父の元同僚でもあった
御家人から町人になった佐平次だが、その理由は分からず、いろいろと憶測をする清四郎
清四郎、真面目なところもあるのだが、世間知らずなせいもありプライドが高い
元の性格は悪くないが、なにせ気が弱い
これは経験不足だからしょうがないか
経験不足と純粋過ぎる世間知らずのせいで、つい余計な言動をしてしまい、未熟さを露呈してしまうのが可愛い
清四郎は気難しい佐平次に鍛えられながら成長してゆく
多くを語らない佐平次だが、食にうるさい
さり気なく、馴染みの飯処から丼ものを注文して番屋まで届けてもらい、清四郎や小者の仙太はご相伴にあずかる
この食事の場面が「池波正太郎」風
江戸の軽食(丼もの、お酒のアテ)の描写もいい
父の代からの小者 仙太のさりげない言葉に未熟な清四郎は学ぶことも多い
御家人株を手放して町人になった佐平次の過去も目的も明らかにされないままに終わったのでシリーズ化されるのか?
女も知らない(この事をからかわれるし、簡単に女に騙される)うぶな清四郎の成長が楽しみ