
「春立つ風 弥勒シリーズ13」 あさのあつこ
「春立つ風」弥勒シリーズ13巻
あさのあつこ 光文社
読み終えて、直ぐに次の巻が読みたくなる
そんな、あさのあつこ「弥勒シリーズ」です
前作「野火、奔る」では…
小間物屋「遠野屋」の主、清之介(元武士で娘婿)が彼の故郷の名産「紅花」が産業として軌道に乗り始めた矢先に「紅餅」を運ぶ船ごと消えるという事件が起きた
更に大店の身内の娘「おちや」は自らの考えの元、八代屋主の伯父の元を去り、遠野屋に女中として入り自身の人生を始める
先代の八代屋が亡くなり長兄が後を継ぐが「おちや」を強引に引き戻そうと荒い手に出て怪我人が出る騒動となる…
作品の最後は同心の小暮信治郎に関わる怪しい男に不安を抱く、岡っ引き伊佐治…こんな感じで終わる
「春立つ風」
油屋の長男が刃物で喉を突いて離れの一室で自死をする
外から開けられない状況で奉公人が打ち破って入り若旦那の遺体と遺書を発見
放蕩息子と評判だったが、番頭と女中の若旦那の評価には若干の違いがある
後添えが生んだ年の離れた弟の存在、若旦那の馴染みの女郎の証言などから自死に疑いを感じ始める伊佐治
相変わらず掴みどころのない不穏な空気感の小暮信治郎だが心眼に狂いはない
今回は、さほど大きな動きは無い内容
恐らく次の作品で大きく動き出す何かのための伏線的なものなのか?