「雫峠」砂原浩太朗 読了 | pyonpyon ブログ

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松任谷由実。


「雫峠」砂原浩太朗 講談社

神山藩が舞台のシリーズ第4弾 
『高瀬庄左衛門御留書』『黛家の兄弟』『霜月記』の最新作です

 架空の藩、神山藩という統一された世界観で紡がれる6編の短編からなる上質の時代小説

 半夏生
 清貧といえる生活の中、堤を作る普請方の父を誇りに思う姉と弟 
神山藩シリーズっぽい空気感
「江戸紫」
 愛嬌のある登場人物とどんでん返しの展開の面白さ
「華の面」 
藩主を隠居させ分家より迎えられた年若い藩主とともに能を学ぶ若者
出過ぎることも藩政に口を挟むことも許されない中で能を通じて心の平静を保とうとする若い藩主に能を通じて寄り添う
「白い檻」 
藩の政権争いで山深い土地に流刑にされた男
城下では政権が再び変わりつつあるらしいという噂があるが流刑地までは届かない
 政権が変わると現在の地位が脅かされると思った男が襲来
 殺るか殺られるかの中に地元民とのちょっとした会話の面白さもあり、けっこう気に入ってる
「柳しぐれ」
 他の方のレビューにもあったが池波正太郎を感じさせる内容 
珍しく町人の話 
「雫峠」 
表題にもなっている作品
後妻として嫁いだ家に連れ子としてついてきた娘 
遊びの相手をしてくれた次兄は養子として他家へ行き婿養子となり、妹は格上の家へ嫁ぐ
次兄に助けを求め逃れてきた妹を見捨てる事は出来ない
追手が迫る中、悲しい峠越え

 度々登場する神山の地酒「天之河」と「海山」
そのうち何処かの酒蔵が作るかな?😆