
「澱河の府 」 新井勉 批評社
初読みの作家だと思っていたら2021年に読了していた「非器の城」の作家でした
2021年に載せた感想を見返してみたら「面白い作品だけど、上手く感想が書けない…」とか書いている😆
さて「澱河の府」
澱河(でんが)とは淀川の
別称
別称
大阪が舞台の話です
時代は徳川家治が亡くなり、次の将軍は一橋家から入った家斉
松平定信が老中に就任して前将軍の側近たちは次々と排除されている状況
主人公は前将軍の奏者番(確かそうだった気がする😅)の土屋志摩守(冬馬)
年は若いが、なかなかの切れ者と言われていたが
大阪町奉行を任命される
大阪町奉行を任命される
周りからは「左遷だ」との声もある中、冬馬は淡々としており、早速大阪への準備に取り掛かる
大阪町奉行着任早々に奉行所の門前で奉行所へ引き渡しに連れてこられた有馬家家臣が斬り殺される事件が起きる
大阪では他にも幾人もの大店の娘を四天王寺へと妾奉公に出す事を強要される事案が起きていた
寺社や商人が大阪の町を影で操り奉行所もなかなか手を付けられない状況を冬馬はどう切り崩していくのか
捕り物としての話も面白いが、冬馬の祖父が大阪に遺した大阪の妻の話や初めて出会う身内の話などもあり、そちらも面白い
まず、江戸を発つにあたり正妻は身重(二人目)で同行できないということで
冬馬の身の回りの世話をする大阪の妻となる側室(八重)を江戸から同行するくだりが興味深い
大阪への荷造りや同行する家臣の選別、箱根越えでも盗賊まがいの輩が出没したり
そこで出会った京都の大店の夫婦も同行者となる
旅でも、いろいろ事件が起こり大阪入りする前でもひと盛り上がり
大阪に入ってからも衣類の調達(最初は古着を買う)など、今まで出会わなかった情報
へぇ〜、全部誂えるのかと思ってた
悪人はかなり強敵なのだが、匿った者が裏切るようなどんでん返しは無く「みんないい人」😅
冬馬と八重との今後も気になるところだし、続きがあるのか?