「またうど」村木嵐 読了 | pyonpyon ブログ

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「またうど」村木嵐 幻冬舎

またうど…変わった題名 ですね
初めて聞く言葉です 

 またうど…とは、全き人、愚直なまでに正直な信(まこと)の者という意味 
 八代将軍徳川吉宗が田沼意次を評して「またうど」と 

 徳川幕府第九代将軍家重をめぐる人々を描いた三部作の完結編ですね 

 私は「まいまいつぶろ」は未読ですが
次の作品の「まいまいつぶろ御庭番耳目抄」は読んでいます
8月あたりに感想文を載せていますので
よろしかったらご覧ください

舞台は「まいまいつぶろ(9代将軍家重)」の後の8代家治の時代
歴史上、石田三成と並んで悪く書かれることの多い、老中田沼意次の半生の話 です

 前半は政の話や先代の家重の想い出などを語る場面に
もういいんだけどなぁその話(家重の話)😅
などと思ったり😝 

 後半になると蝦夷地と印旛沼の大きな仕事を成し遂げる為に模索する意次の話と、先で政敵となる松平定信果が登場して意次の地位を脅かす存在となる 

 賄賂と言えば田沼意次と書かれることが多いが
本作では、あちこちから届けられた賄を開封することもせずに、奥の部屋へ積んだままでいたり 
 献残屋(けんざんや)という贈答品を買い取り他所へ売る商売の話を自ら話してみたり
 自身の蓄財の為に使ったわけでも無いという話になっている 
 嫡男の意知も小説によっては大雑把で大した器でもないと書かれることがあるが、こちらでは大らかで頼もしい嫡男 

 意次失脚後の定信の新政権が意次の娘婿に命じた相良の城の打ち壊し、ここまで徹底してやるのか! 

 自身が縄張り図を描き腹心に委ねて設計した相良の城の打ち壊しに際して意次の差配が彼らしくて良い 

 作中に何度かでてくる意次が大事にしていた文箱
中身が 何だったのかが分かると感動

 定信ですら完全な悪としては書かれていないが、唯一悪人として書かれているのが
一橋徳川家当主の徳川治済😆 

 畠中恵の「忍びの副業」では一橋徳川家は家治嫡男の家基の暗殺の首謀者とされていますね
この作品も昨年10月頃に読了して感想文載せています🤗