
「バタン島漂流記」西條奈加 光文社
尾張と江戸を結ぶ廻船で下っ端の水夫として働く和久郎
元は船大工の職人として親方について働いていたが昔から伝わる厳しい慣わしについて行けず、幼馴染が働く廻船業にくら替え
まだまだ慣れない水夫の仕事も幼馴染の門平に支えられながら何とか続けていた
江戸から尾張に戻る航海中に大嵐にあい、帆も支柱も失い舵も効かない船は海原を彷徨い、東南アジアの島に流れ着く
そこは貧しい島で乗組員たちは村人の家に下働きとして振り分けられ農作業や水汲みなどの労働に従事する
遥か彼方の日本に帰る事は出来るのか?
前半は海難事故の過程の話、後半は流れ着いた島でのそれぞれの運命の話
予想したような展開ではあったけど、島民の子供との関わりの話はほのぼのしていたりするので、過酷とか辛酸を嘗めるとかの暗い話ではなかったです