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「おんなの女房」蝉谷めぐ実 KADOKAWA
去年の7月に読み終えていた本です
歌舞伎役者の女形として評判をとっていた喜多村燕弥、武家の娘の所作をじっくり観察して真似るために、若くもなく器量も十人並みの貧乏武家の娘「志乃」を女房として家に入れる
歌舞伎の事など何一つ知らないままに実家に金で売られたという事だ
夫である燕弥、家でも女の形を崩さず家に美しい女とそれに仕える地味な女が同居するという歪な夫婦生活が始まる
前半、歌舞伎のことなど細々とした話に興味を持つのに少々時間がかかってしまった😮💨
途中からは、燕弥と志乃ともに心が動き出し少しずつ話は面白くなる
女形の夫、演し物のためとはいえ相手役の役者と怪しげな逢引をする
あの地味な女房に嫉妬の炎が燻りだす
また、夫の燕弥も女に徹していたはずだったのにいつの間にか、志乃の真っ直ぐな心に惹かれていってしまい、志乃が他の男と楽しげに話す姿に嫉妬してしまっている己に気付き
「このままじゃ男になっちまう」と苦しむ
「このままじゃ男になっちまう」と苦しむ
歳を重ねて、志乃は「燕弥の女房」という尊敬すらされる存在に成長するのだけれど
手探りで役者の女房への道を探っていた若い内は良いのだが、個人的にはこの歪な夫婦関係は何とも言えない嫌な感じ(志乃、幸せだったの?)
蝉谷めぐ実の作品って、癖のある感じの始まり方をするので、ちょっと読んで「あ、嫌い」と思って止めちゃう人もいるのではないかな
話が進んだら、けっこう面白いので嫌がらずに読み進めて欲しい😅
(誰が偉そうに言ってんだ🤪)