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「夏目家のそれから」半藤末利子 PHP研究所
「硝子戸のうちそと」に続き、夏目漱石の孫であり、作家の半藤一利の妻、半藤末利子のエッセイ
漱石亡き後、遺された家族の話や著者本人の生活の話などをまとめたエッセイ
著者は漱石が亡くなってから生まれているので、書かれている漱石のエピソードや漱石の弟子たちのエピソードなどは、祖母の鏡子(漱石の妻)から聞いた話や母(漱石の長女であり作家の松岡譲の妻)から聞いた話
読んでいると、父親の松岡譲の世間での評価が低いのではないか?と感じているように思った
自身が亡くなる前に、作家としての勢いのある時期を夏目家の諸々の雑事を片付けるために犠牲になった父の名譽を回復したいとこのエッセイを書いたのかな
漱石の初期の弟子達(特に岩波茂雄と内田百閒に対してはかなり酷い)の厚かましさや図々しさなどかなり辛辣な言葉で綴っている
ただ、祖母の話を母が聞いて…な又聞きだしなぁ😅
祖母鏡子が占いに傾倒している様子や生活ご困窮していく遺された夏目家の人々の様子などは小説を読んでいるのようで興味深かった
同じ言い回しが何度も出てきたりするので、もう次にエッセイが出ても読まないかな〜
同時代に生きた作家の森鴎外の家族の話を朝井まかて「類」で読んだが、森家の方が遺された家族の生き方は面白いね