
「マンチェスター市警エイダン・ウェイツシリーズ スリープウォーカー」
ジョセフ・ノックス 新潮文庫
令和3年に発売されたマンチェスター市警エイダン・ウェイツシリーズの3作目
前の2作を少し紹介シマス
1作目「堕落刑事」で主人公のエイダンは押収したドラッグをくすねて停職になった汚れた警官として登場
クビにはならなかったものの、きつい仕事を命じられる
麻薬組織に取り込まれた国会議員の娘探し
組織のボス、ゼイン・カーヴァーとはこの後長く敵対関係となる
英国麻薬社会の描写、ハードボイルドな内容の中にエイダンの推理と謎解きの構成はラストまで読者を飽きさせない
1番の魅力はいい男と予想されるエイダンの容姿となかなか見せない心の内
2作目「笑う死体」では嫌な仕事上の相棒、サティ(ピーター・サトクリフ)と夜勤に回される
休業中のホテルで発見された笑っているかのように見える死体の発見から始まり連続放火事件、女性が巻き込まれたトラブルなどの謎が組み合わさる構成だがメインはエイダンの幼い頃の記憶から蘇る悲惨な過去や終わらない悪夢
3作目「スリープウォーカー」では12年前の一家惨殺事件事件の犯人とされ刑務所にいた男が癌で入院
エイダンはサティと警護にあたる
唯一発見されていない長女の死体の在処を聞き出す事が目的でもあった
が侵入してきた暴漢により病室が放火され男は救出に入ったエイダンに無罪だと言い遺し死亡、室内にいたサティも重症をおう
ここから12年前の殺人事件をきっかけにして絡み合った人間関係を巡る捜査が始まり、終わりのないカーヴァーとの関係(1作目のラストが関係してる)、エイダンが自ら断ち切った家族、サティの代わりに相棒となった女性警官は上官のスパイなのか?
警察内にも敵を抱え、不幸な運命に翻弄された孤独なエイダン
読者の受け取り方によって、分かれるラスト
これで終わってしまうのなら悲しすぎる
10章からなる小説の7章まで読んで、返さなくて良い自分の本だし…と図書館の本を読むのに忙しくて長く放置してました
残りの2章でゆっくり完結か?と甘く見ていたら、まーそこからがハードハード超ハードボイルド!
ラストまで息つく隙もない展開でした
読み応えありの警察小説です