「わけあり師匠事の顛末」 佐藤雅美 講談社
いつも面白い話のシリーズもの
今回のわけあり師匠とは、市川堂の男座師匠の青野又五郎
市川堂とは、市川初江の手習い塾
青野又五郎、実は本名は神埼清五郎といい元赤穂藩の侍
後継ぎ問題で当主の弟を擁立を企む一派の長を殺す事になりその後婚約者を残し脱藩
本人は海難事故で死んだ事になっているが、江戸で元婚約者と偶然再会してしまう
未だに当主の反対派に命を狙われていると感じた又五郎は、手っ取り早くお金を貯めて何か商売を始めたいと紋蔵に相談しお屋敷の籠を担ぐ駕籠かきになる
上背が高い又五郎は見栄え優先のお屋敷の駕籠かきでは単価が高い
この素早い変わり身(町人髷にしたり)、口調も町人風に(笑)
同じテーマでも違う作家が書くと重~い話になるが、そこは佐藤雅美の作風で相変わらず笑える筋立て
この話が最後まで続き、その合間に持参金付きの娘との結婚に不安を抱く息子の話(持参金付きの嫁など顔が悪いからに決まっている)「真綿でくるんだ芋が来る」や身寄りのなくなった幼い兄妹のお金を目当てに集ろうとする縁者の公事事など
このシリーズはハズレなし!